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九州工業大学 工学部の教員による講義

関心ワード
  • ナノテクノロジー、
  • 熱、
  • 熱工学、
  • エネルギー、
  • エネルギー資源、
  • 素材、
  • 熱電変換、
  • 暑さ、
  • 放射、
  • 熱輻射

ナノテクノロジーで、真夏の暑さをエネルギーに変えられるかも?

エネルギーを使ってエネルギーを消す「ムダ」

 真夏の日中は、建物の屋根や壁が太陽光を受け、その「熱」が屋内に伝導することによって室温が上昇します。あまりに暑いと、エアコンを強くしてしまいがちですが、熱はまぎれもなくエネルギーの一種です。熱エネルギーを消すために、電気エネルギーを消費するのは非効率です。
 熱を反射する屋根や外気温を伝導しない壁で家を建てれば、真夏でも快適に過ごせるでしょう。そんな夢のような素材が、ナノテクノロジーによって実現しつつあります。

ナノスケールで起きる現象を物理的に解析

 物質をナノスケールで加工・制御すると、常識では考えられないような現象や反応が発生することは、何十年も前から知られていました。近年、それらの現象を物理的に解析できるようになったことで、熱工学の分野でも、ナノテクノロジーの応用研究が積極的に行われるようになりました。
 熱の移動は「対流」「伝導」「輻射(放射)」に大別され、熱の伝わりやすさや熱容量は物質ごとに異なることを、中学校の理科で学んだと思います。しかし、ナノテクノロジーを用いて熱の移動の本質に迫ることで、既存の概念とは異なる熱特性を素材に生み出すことが可能です。

化石燃料を使わなくても快適な生活が可能に

 熱を電気エネルギーに変える「熱電変換」の研究も進んでいます。これは、コンピュータCPUの冷却などに使われている「ペルチェ素子」の、電流を流すと熱が移動する反応を逆利用したもので、人工衛星の電源などで用いられています。また、特定の波長の熱輻射だけをさえぎったり吸収したりする「波長選択的輻射制御」も、太陽熱の有効利用で応用が考えられています。
 石油などのエネルギー資源の枯渇が問題視されていますが、熱に関しては莫大な量のエネルギーが無駄になっています。熱工学とナノテクノロジーとの融合がさらに進めば、化石燃料をほとんど消費せずに、いまよりも快適な生活が実現するかもしれません。

参考資料
1:ナノテクによる熱電変換の高効率化
この学問が向いているかも 熱工学、機械工学


工学部 機械知能工学科 教授
宮﨑 康次 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「高校生活」を楽しんでいますか? 受験勉強はとても大切なことですが、勉強のために部活動や趣味を度を超えて犠牲にするのは逆効果だと私は考えています。
 勉強や研究、将来の仕事では集中力が大事になりますが、体力の切れ目が集中力の切れ目です。体力は将来あなたの大きな武器となるでしょう。旺盛な好奇心は、あなたしか持ちえない発想の源になるでしょう。いろいろなことに関心を持ちながら、「高校生活」を楽しんで過ごしてください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃は組み立て式ブロックで遊ぶのが大好きで、小学生の頃はプラモデル製作や工作をすることに夢中でした。その一方でスポーツも大好きで、高校時代は甲子園をめざし、野球漬けの毎日でした。
 その頃は日本の自動車メーカーがF1グランプリで大活躍していた時代で、なんとしても高性能のF1レーシングカーの仕事に関わりたいと考え、大学は機械工学系の学科に進学しました。
 大学時代はロボットや人工衛星などに興味が移りましたが、熱心に指導してくださった「熱工学」の教授の研究室に入ったことが現在の研究につながっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車メーカー技術者/プラント技術者/電気メーカー技術者

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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