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講義No.08087

憲法の解釈によって、国民の生き方・暮らし方まで変わる!

表現や言論の自由は、どこまで「自由」なのか?

 表現や言論の自由は憲法によって保障されていますが、どんな意見をどのように表現しても許されるのでしょうか? 憲法は、国の営みの基本となる最高法規です。さまざまな価値観を持つ国民の人権を、平等に守らなければならないので、「ここまでならOK」といった具体的な内容には触れていない条文がたくさんあります。表現や言論の自由を認める憲法第21条は、その典型と言えます。大まかな方向性だけが示されている憲法の、解釈の仕方や問題解決の方法について研究するのが、「憲法学」という学問分野です。

憲法が明示していない部分を「法律」が補う

 特定の国籍の人などに対し、攻撃的・侮辱的な言葉を投げかける「ヘイトスピーチ」が社会問題化しています。そこで国は2016年5月、不当な差別的言動の解消をめざす法律を制定しました。しかし、スピーチの禁止や罰則など、強制力のあるルールまでは作れませんでした。憲法第21条に抵触する可能性があるからです。憲法で具体的に示されていない事柄について、細かい個別ルールを設けるのが、「法律」や地方自治体の「条例」の役割ですが、それを定めるためにも憲法学の知見が必要になるのです。

憲法の解釈で、国民の生き方も変わる

 自分自身の生き方や暮らし方を自由に決める「自己決定権」も、憲法第13条によって守られています。では、高齢化や医療技術が進んだことで話題に上る機会が増えてきた、「安楽死」「尊厳死」についてはどうでしょう。身体が思うように動かなくなり、慢性的な疾患に苦しんでいる人が、「これ以上苦しまずに最期を迎えたい」と思う気持ちは、悲しいけれど偽らざる本心であることも多いでしょう。
 医師に対して安楽死を求めることも、自己決定権の行使と言えるでしょうか? 自ら死を選ぶという行為は、果たして憲法によって保障されるべきなのでしょうか? このように、憲法の解釈によって、私たちの生き方・暮らし方が変わってくることもあるのです。


この学問が向いているかも 憲法学、憲法人権論

北九州市立大学
法学部 法律学科 教授
中村 英樹 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「パーフェクトな正解」は存在しないけれど、いろいろな角度や立場から考え、社会にとって最も良いと思われる答えを見つけ出す、これが「憲法学」の面白さです。
 もしもあなたが、大学で「法」について研究したいと考えているのなら、国語の力を磨いてください。自分の考えを正確に相手に伝え、相手が話していることを正確に理解する力は、法を学ぶ上で必須のものです。同時に、歴史にも興味を持ってください。現代の憲法や法律は、長い歴史の積み重ねから築かれたものだからです。

先生の学問へのきっかけ

 両親が、毎朝きちんと新聞を読んでいたので、私も小学校時代から、新聞を読んだり、テレビでニュースを見たりして、社会問題について考えるような少年でした。その影響で、大学はあまり迷うことなく法学部に進学しました。当初、弁護士をめざしましたが、法律の中でも興味のある分野とそうでない分野とがはっきりしていたため司法試験を断念しました。その後、新聞記者をめざした時期もありましたが、大学院に進学し、興味があった法律分野について研究を続けました。結果的に、子ども時代からの社会問題への興味を貫いた形となりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

弁護士/国家公務員/地方公務員/マス・メディア

大学アイコン
中村 英樹 先生がいらっしゃる
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 北九州市立大学は、文系4学部・1学群(北方キャンパス:外国語・経済・文・法学部、地域創生学群)、理系1学部(ひびきのキャンパス:国際環境工学部)を擁する公立の総合大学です。
 産業技術の蓄積、アジアとの交流の歴史、環境問題への取組といった北九州地域の特性をいかし、「地域に根ざし、時代をリードする人材の育成と知の創造」を目指し、「選ばれる大学への質的成長」「大学のプレゼンス(存在感)」「環境・地域・アジア」をキーワードに、語学教育、環境人材育成、地域人材育成に力を入れています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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