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講義No.08066

都会の海が汚れている! 海洋汚染の意外な原因とは?

化学物質による海洋汚染は都市部に多い

 海はさまざまな要因によって汚染されています。原因はいくつかあります。まず海はつながっているので、海外のタンカーの座礁によって流出した原油が、海流にのって日本にも到達するのではと、心配する人もいるかもしれません。確かに、タンカーからの原油の流出事故は、世界で年に数回の頻度で起こっていますが、オイルフェンスなど広域に広がらないような技術が進んでいるので、海外で流出した石油が日本近海へ影響することはまれです。それよりも、自動車が多く工業地帯が広がる都市部の沿岸海域の海洋汚染の方が、日本にとって身近で深刻な問題です。実は、都市部の海に汚染が集中しているのです。

汚染は、空からもやってくる

 都市部の方が顕著な海洋汚染ですが、その原因の一つが、自動車や工場の排気ガスが空気中に放出されて、地表や海面に落ちていくことです。また人体に影響があるPM2.5という粒子状物質も空気中をさまよいながら海に落ちていきます。これらの化学物質が溶け込んだ海水の状態の調査は、近隣を泳ぐ魚への蓄積をはじめとする影響が、どのような形で現れるのか、さらに、それを食べる人間への影響を予測する研究の重要なデータとなります。

安全な魚を食べるために

 これらの化学物質が含まれている海にいる魚介類が、実際にどのような影響を受けるのかということは、海洋汚染と生体汚染の両面からの調査、さらに大気中の物質を観測する分野との連携をすれば、解明できることも増えるでしょう。将来、子どもたちに起こりうる問題に、前もって警鐘を鳴らすこともできますし、何より魚が住みやすい海をつくるための足がかりとなります。
 さらに、変質しないといわれている化学物質が、海底にどのような状態で沈んでいるかに関する分析や研究も進んでいます。広範囲での研究や、異なる分野の研究の連携で、さまざまな海の汚染に関する事実が明らかになっていくことが期待されているのです。

環境保全・食の安全のための環境汚染研究

夢ナビライブ2017 名古屋会場

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海の環境を守るための調査活動

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都会は発がん性物質が多い?

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海の汚染状況を調べて魚を守る

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 水産学

鹿児島大学
水産学部 水産学科 教授
宇野 誠一 先生

メッセージ

 たとえ素晴らしい研究でも、その結果や成果をうまく伝えられなければ意味がありません。研究活動においても、プレゼンテーション力や、コミュニケーション能力が大事なのです。
 自分が研究によって知り得たことを相手に伝える、そして相手の発言をきちんと聞いて理解する、この繰り返しが議論となり、その分野の研究が進むのです。人との出会いも重要なことです。研究分野は、これから先、出会う人が関わっていることで、魅力的に感じることもあるのです。

先生の学問へのきっかけ

 大学院で博士取得後、任期付きの博士研究員としてある研究所で研究を続けていました。その時の恩師から海域の石油汚染に関する研究は多くの課題があることを教えられ、将来は大学などの研究機関で石油汚染研究に取り組む研究者になりたいと考えました。この研究は現在も行っており、野外調査から石油の生物に与える毒性影響研究まで広く行っています。さらに海底質の汚染やその生物に与える影響や、魚体内のアミノ酸など生体内代謝物と呼ばれる物質群の変化をとらえて魚の健康診断などを行う手法開発などの研究にも発展していきました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

環境アセス会社、公務員、製薬会社研究員、化学分析に関連する会社、食品会社の品質管理、環境汚染研究に関連した研究施設

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宇野 誠一 先生がいらっしゃる
鹿児島大学に関心を持ったら

 鹿児島大学は、日本列島の南に位置し、アジアの諸地域に開かれ、海と火山と島々からなる豊かな自然環境に恵まれた地にあります。この地は、我が国の変革と近代化を推進する過程で、多くの困難に果敢に挑戦する人材を育成してきました。このような地理的特性と教育的伝統を踏まえ、鹿児島大学は、学問の自由と多様性を堅持しつつ、自主自律と進取の精神を尊重し、地域とともに社会の発展に貢献する総合大学をめざします。

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