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講義No.08047

プラズマが命を救う! 物質の「第4の状態」が秘める大きな可能性

物質の第4の状態「プラズマ」が秘める可能性

 「プラズマTV」「プラズマカッター」など、プラズマという言葉はよく聞くと思いますが、その実体を知っていますか? 身近な雷やろうそくの炎、蛍光灯も実はプラズマです。プラズマは、気体に高い電圧というエネルギーを加えてできる放電した状態です。つまり、電子が離れた原子核である「プラスの電荷を持つイオン」と、「マイナスの電荷を持つ電子」がバラバラになっているのがプラズマで、固体・液体・気体に続く物質の「第4の状態」です。

プラズマを細胞に照射して遺伝子導入

 このプラズマが、生体に大きなインパクトを与えることがわかってきました。理由はまだはっきり解明できていませんが、プラズマを細胞に照射すると細胞の働きが活性化し、なんと遺伝子がするりと細胞の中に入っていくことを2002年に日本の研究者がつきとめたのです。
 これを利用すれば、遺伝子治療やiPS細胞の作成などに不可欠な「遺伝子導入」が従来の方法よりも効率的に行えるのではと期待されています。細胞にそれほどダメージを与えず、プラズマの力で高効率に、どんな細胞にでも遺伝子導入ができる日が来るかもしれません。

がんや遺伝性疾患の画期的な治療法も視野に

 問題は、どんな装置でどうプラズマを照射すれば望む遺伝子導入ができるかです。強く照射すれば遺伝子は入りやすいですが細胞が損傷しやすく、弱ければ細胞ダメージは小さいですがうまく遺伝子が入りません。この課題を解決するのが髪の毛より細い直径約70ミクロンのプラズマ照射管で、強いプラズマを細い管で集中照射することで、高効率に細胞内に遺伝子が導入できる仕組みです。
 皮膚や臓器、神経、がん細胞に至るまでプラズマを用いた遺伝子導入が実用化されれば、遺伝子治療や製薬など、医療をめぐる分野に革命が起こるでしょう。メカニズムの解明など課題はまだありますが、がんや遺伝性疾患の根本治療にもつながる可能性を秘めているのです。


プラズマで命を救う! 医療バイオ応用の世界

この学問が向いているかも 電気工学、電子工学

愛媛大学
工学部 電気電子工学科 教授
神野 雅文 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 電気工学・電子工学は19世紀から20世紀にかけて、エジソンが発明した電球や送電システムに代表されるように、人々の文明的な生活と産業の進歩に大きく貢献してきました。21世紀に入っても、プラズマが人間の生命に直接関わる働きをすることがわかってきたように、まだまだ知られざる可能性を秘めている学問分野です。
 電気工学・電子工学は今まさに、ほかの学問分野と融合しながら新しいテクノロジーへと進化しようとしています。自分の土台となる分野の基礎をしっかり固めた上で、一緒に未来のテクノロジーを模索していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃からものづくりが好きで、大学を選ぶときに、迷わずものづくりができる工学部を目標に定めました。大学入試が近づき、電気系、航空工学、化学のどれを選ぼうかと迷いましたが、「消去法で進路を選ぶな」という両親の助言もあり、頑張って一番好きだった電気系に進むことにしました。
 大学での研究室を選ぶときにもまた迷いましたが、「宇宙の99%はプラズマでできている」という恩師の言葉で「プラズマ」に興味を持つようになったのです。

大学アイコン
神野 雅文 先生がいらっしゃる
愛媛大学に関心を持ったら

 愛媛大学は、「学生中心の大学」の実現をめざして、学生の視点に立った改革を進めています。そして、すべての学生が入学から卒業までの過程で、自立した個人として人生を生きていくのに必要な能力を習得することをめざしています。そのため本学では、正課教育のほか、正課外のサークル活動(正課外活動)やボランティア活動、留学、下級生への学習支援(準正課教育)等を通じ、その能力を磨くための多くの機会を設けています。あなたの可能性が広がる学び舎、それが愛媛大学です。

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