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講義No.07971

簡単に生薬の分析ができる「モノクローナル抗体」って何?

生薬の科学的な分析はこれから

 自然の中には優れた薬効を示す植物が存在します。例えば、大黄(だいおう)というタデ科の植物には、センノシドという有効成分が含まれています。これは便通を改善する下剤としての効果があるため、便秘の症状に処方されます。このような薬効のある自然産物を医薬品として用いる場合「生薬(しょうやく)」と呼んでいます。ただ、その効果は経験的にわかっているものが多く、何が有効成分なのか、どの程度の分量が含まれているのか、体内に入った時にどのように分布するのかなど科学的な分析はこれからの課題です。

既存の分析方法は高価で専門知識が必要

 生薬の役割は大きく、世界各地の伝統医学で利用されています。生薬を科学的に分析することは、医療の発展に役立ちます。また、生薬は健康食品などにも利用されますが、適正に使用されないためその有効成分による健康被害を引き起こすこともあります。その原因を突き止めることも必要になっています。
 確かに成分分析は既存の方法でも可能ですが、高価な測定機器や専門的な知識が必要です。また、含まれる有効成分は微量で、特に有効な産物を見極めるためには高感度な測定が必要ですが、既存の方法はそこまでの感度はありません。

生薬分析の裾野を広げる測定方法を開発

 そこで「モノクローナル抗体」を使った測定方法が開発されました。これは体の中に侵入した異物を判別する抗原抗体反応を利用したものです。例えば、センノシドという抗原に対する抗体を人工的に作ります。植物や錠剤を溶かしたものにこの抗体を入れ発色基質を導入することで発色の程度や分布で抗原の存在がわかるのです。
 抗体を使った分析方法は、高価な測定機器や専門知識が不要なため、簡単に高感度な成分分析を行うことができるというメリットがあります。生薬や漢方薬の有効成分を分析することで、より安全かつ効果的な服用が可能になるのです。

参考資料
1:モノクローナル抗体を使った生薬成分の分析

医薬品の新たな分析法を開発せよ!

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生薬とは?

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新たな分析法の必要性

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新たな分析法の発見

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 和漢薬物学、薬学

第一薬科大学
薬学部 漢方薬学科 和漢薬物学分野 准教授
森永 紀 先生

メッセージ

 あなたは幼い日の夢を覚えていますか。私は小学校1年生の時に先生になりたいと思いました。また、小学校6年生の卒業文集に科学者になりたいと夢を書きました。大学に向けた受験勉強の中でそういった夢は忘れていましたが、薬学部に入学して2年生の講義で生薬学という学問に出合い、幼い時の夢を思い出しました。
 そして、私は研究者の道に進み、大学の先生になるためにアメリカに留学しました。夢は実現できるものです。第一薬科大学で私と一緒に夢を実現していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学2年の生薬学の講義で、九州大学が大黄という薬用植物から向神経作用物質である「RG-タンニン」を発見したということを知り、衝撃を受けました。植物に含まれる多くの化合物の中には、まだ知られていない画期的な有効成分があることを知り驚いたのです。「自分も世界初と言われるような発見をしたい」と思い、そこから研究者への道が始まりました。また、大学で研究する中で成果が上がることの達成感や、ほかの研究者と協力することの楽しさを知りました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学病院薬剤師/国立病院機構薬剤師/調剤薬局薬剤師/ドラッグストア薬剤師

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森永 紀 先生がいらっしゃる
第一薬科大学に関心を持ったら

 昭和35年に開学した第一薬科大学は、伝統と実績を有する九州唯一の薬学単科大学です。これまで病院、診療所や薬局などで地域医療を担う、14,000人を超える優れた薬剤師を全国に輩出してきました。平成28年4月からは、薬学科・漢方薬学科の2学科制となり、今まで以上に、現代の医療現場が求める薬剤師育成を実現する環境が整いました。なお、卒業までに必要な修得単位数と、薬学共用試験(CBT、OSCE)および薬剤師国家試験に関わる科目は、両学科とも共通となっています。

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