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講義No.07939

障がい者を支援するテクノロジー、「視線入力」技術

生活を劇的に変えるテクノロジー

 テクノロジーは、現代社会に暮らす私たちにとって、欠かせないものです。新しいテクノロジーの登場は、多くの人の生活を劇的に変えることがあります。
 例えば、重い障がいのため体が動かない人、筋肉を動かす機能が失われるALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんの生活支援に役立つ、「視線入力」があります。これは画面に表示している文字を見ると、文字が入力できるという技術です。眼球の動きを視線入力装置で受信し、文字を入力します。この技術を使うと、目の動きだけで周囲の人とコミュニケーションを取ることができますし、メールを書いたり、オンラインショップで買い物したりできます。ALSの患者さんの機能の中でも、目の動きは比較的長く残るので、それを活用することは重要です。

ゲームを使って、楽しく訓練

 便利な視線入力ですが、患者さんが使いこなすようになるには、ある程度の訓練が必要です。そこで、注目されているのが、ゲームソフトを使った訓練です。単に文字を見ていく訓練だと、うまくいかなかった時に、本人も周りの人も落胆しがちですが、ゲームの場合だと「あ、惜しい。次にがんばろう」というように、なごやかな雰囲気で訓練できます。つらい闘病生活を送る患者さんにとっては、楽しく訓練できることはとても大切なことなのです。

障がい者支援の新しい技術

 視線入力以外にも、顔の表面の変化をセンサーで読み取り、スイッチを押すことができる技術なども開発されています。ALS の患者で物理学者のホーキング博士は、スイッチを押す意思伝達装置を使い、講演、論文執筆など知的活動を行っていたことはよく知られています。
 新しい技術として、脳波を使ったコミュニケーションなどの可能性が研究されています。日本では、まだ、このような技術開発があまり知られていませんし、支援できる人も少ないですが、医療現場と協力しながら、工学的なアプローチを進めていくことが期待されているのです。


重度障がい者の「生きたい」につながる研究

この学問が向いているかも 福祉情報工学、電気電子工学、社会学

島根大学
総合理工学部 機械・電気電子工学科 助教
伊藤 史人 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私は、大学卒業後は企業に就職し、CTやMRI画像などの医療用画像処理の研究をしていました。大学との共同研究をきっかけに、「社会に役立つ研究がしたい」という思いが強くなり、大学院に進学しました。
 この経験から、「やりたいことをやっていくと、自然に道が開ける」という思いを抱いて、障がい者の皆さんの生活に役に立つ研究を続けています。あなたも積極的にいろいろな人と会い、さまざまな場所に行って、経験を深めてください。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃は飛行機が好きで、高校時代には「ものづくり」のできる理工系の分野へ進もうと決めていました。そして、愛読していた宮沢賢治の影響もあり、岩手の大学へ進学しました。自然に囲まれた、のびのびと暮らせる環境が気に入っていました。
 大学卒業後は企業に就職し、医療用の画像処理の研究をしていましたが、大学との共同研究をきっかけに、「社会に役立つ研究がしたい」という思いが強くなり、大学院に進学しました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ソフトウェア開発/機械メーカー設計/商社

大学アイコン
伊藤 史人 先生がいらっしゃる
島根大学に関心を持ったら

 島根大学は、学術の中心として深く真理を探究し、専門の学芸を教授研究するとともに、教育・研究・医療及び社会貢献を通じて、自然と共生する豊かな社会の発展に努めています。とりわけ、世界的視野を持って、平和な国際社会の発展と社会進歩のために奉仕する人材を養成することを使命とします。この使命を実現するため、知と文化の拠点として培った伝統と精神を重んじ、「地域に根ざし、地域社会から世界に発信する個性輝く大学」を目指すとともに、学生・教職員の協同のもと、学生が育ち、学生とともに育つ大学づくりを推進しています。

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