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講義No.07919

「落語」には日本文化のエッセンスがたくさん詰まっている!

落語の笑いに見る日本文化

 海外では日本人は笑わないというイメージを持たれがちですが、日本人にも豊かな笑いの文化があります。「落語」はそのひとつです。落語の多くは江戸時代の長屋での生活を元にしていて、人間の欲や思い込みといった、ちょっとした愚かさを笑う庶民的な笑いが特徴です。またダジャレや語呂合わせといった言葉遊びも、欧米の笑いが政治や社会に対する批判が多いのに対し、落語の笑いは温かみのあるユーモアが中心です。日本人は人前ではあまり笑いませんが、落語のような身近な笑いを自分の中で楽しんでいる傾向があるのです。

死さえも笑いにする独自の考え方

 落語の笑いのもうひとつの特徴に、死をネタに笑いをとるという点が挙げられます。噺(はなし)の途中で、「あ、死んじゃった」というネタが入ると笑いが起きるというのは、ほかの文化には見られない特徴です。また、幽霊を茶化すようなネタも多いのですが、普段は怖いはずのものを面白いネタに変える、ユーモアを込めて語るのが落語の面白さです。
 ちなみに落語に出てくる幽霊は、足がないものとして描かれることが多いですが、これは歌舞伎で幽霊が出てくるときはドロンという効果音とともに煙を出して演出したことと深く関連していて、江戸時代以降の幽霊のイメージが作られたと言われています。それ以前の文献では、足のある幽霊が描かれています。欧米の幽霊にも足はあります。

生きた芸能である落語

 落語は江戸時代の長屋を舞台にした話が主ですが、現在にも通じる芸能です。落語はまず「枕」と呼ばれる時事ネタに洒落(しゃれ)を織り込んだ導入があり、そこからお客さんの反応を見ながら噺を展開していきます。テレビ番組の『笑点』はこの枕の部分を応用したものです。お客さんの反応を見ながら、場合によっては噺の内容やトーンをその場で変えることもあります。そういう意味では、落語はみんなで作り上げる「生きた芸能」と言えるのです。寄席(よせ)で生の落語を実際に体験してみるといいでしょう。

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この学問が向いているかも 民俗学、比較文化学

千葉商科大学
国際教養学部 国際教養学科 講師
ムズラックル・ハリト 先生

メッセージ

 海外のジョークに「日本人は1つのジョークに3度笑う。ジョークを聞いたとき、ジョークのオチの意味を教えてもらったとき、家に帰ってオチの意味を理解したとき」というのがあります。日本人の笑わないイメージを皮肉ったものです。日本でも実は自国の文化を笑い飛ばすジョークが結構ありますが、自国の文化を冷静に見つめることで自分たちを笑えるのです。異文化の笑いを理解するのは難しいですが、どの社会でも笑いはあります。ユーモアを異文化理解の体験として考えていきましょう!

先生の学問へのきっかけ

 トルコ出身です。大学時代、変わった言語を学びたいと日本語を学ぶうちに日本に興味がわき、留学しました。大学の恩師の趣味が「落語」で、授業の一環で落語をCDで鑑賞する機会がありました。そこで、文化の違いを感じました。言葉遊びの笑いには反応できず、ベースになる江戸時代の長屋文化も未知の世界のことでした。しかし、落語は「生きている芸能」で、現在にも通じる面白さがあるとわかり夢中になりました。
 大学では民俗学や比較文化論を教えていますが、落語から見える日本人の宗教観や死生観なども交えて研究しています。

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