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講義No.07898

世界平和のために、対話で対立を乗り越えていこう!

「対立解決学」とは?

 世の中では個人間から国家同士のレベルまで、さまざまな対立が起きます。対立自体は悪いことではありません。十人十色みんな考え方が違うので、対立は当たり前なのです。しかし対応や解決をせずに放置すると、恨みや憎しみが募って、最悪の場合はテロや戦争という大きな暴力を引き起こします。「対立解決学」では、対立を分析し非暴力、かつ建設的に関係を築いていく方法を研究します。

暴力や刑罰ではない、対立解決の方法とは?

 アメリカで9・11のテロが起きたとき、当時のブッシュ大統領は、それまでの多くの未解決な問題が負のエネルギーを生んだことに目を向けることなく、「正義のための戦争」として報復措置を取りました。しかし、戦争に正義はありません。一方、犠牲者の家族たちは自ら団体をつくり、「自分たちが失った、愛する人たちを理由に戦争をしてはいけない」と訴えました。そして生き残ったテロリストに対し、彼の母親を呼び寄せて対話させました。加害者にも愛する者があることを尊重した素晴らしい試みです。
 このように被害者のニーズだけではなく、加害者のニーズにも応えながら解決していく「修復的正義」は、最近注目を浴びている手法です。罰を与えれば再犯しないとは限らず、むしろ再犯を引き寄せることさえありますが、「修復的正義」によって解決された場合は、再犯が起こりにくいという結果が出ています。

さまざまな知識や技術を身につけ、行動する

 暴力や紛争が貧しさに起因することもあります。貧困をなくすには、貿易の仕組みや経済格差、政治などの問題を知り、大きな力で変えていく必要があります。
 世界の平和を考える「地球市民学」では、政治学や経済学、社会学、環境学、ジェンダーなど学際的に知識を学びます。そして、その「知識 Knowledge」を使いこなし、対話していく「スキル Skills」、物事を見る「姿勢 Attitude」、「行動 Action」の4つの柱が重要になります。さらに相手のことを想像し、共感する心も大切です。

参考資料
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この学問が向いているかも 地球市民学、対立解決学、平和教育学

清泉女子大学
文学部 地球市民学科 教授
松井 ケティ 先生

先生の著書
メッセージ

 大学では「多文化理解」「平和教育学」「対立解決学」を教えています。対立解決学とは、人と人とが違う考えを持って対立した場合、どのような対話が可能なのか、どうすれば仲良くなれるのかということを研究する学問です。対立には個人のレベルから国のレベルまでありますが、必ずしも恐れるべきものではありません。「みんな違う考えを持っている以上、当たり前のこと」なのです。また、学びは教室の中だけでするものとは限りません。体験することによってこそ学べることもありますので、フィールドワークにも力を入れています。

先生の学問へのきっかけ

 父はヴェトナム戦争を体験した米軍の軍人で、私自身も基地の町で育ったので、戦争のことは身近に感じていました。そのため、戦争の仕組みに興味を持ち、「戦争を起こすのが人間なら、その人間が戦争を阻止して平和をきずくこともできるのではないか」「戦争の悲惨さを子孫に残さないために何ができるか」と考えるようになりました。
 大学では英語教授法と国際関係を学び、卒業後、平和教育の母と呼ばれたベティ・リアドン先生の学会に参加し多くのことを学びました。それ以降、平和をめぐるワークショップや社会活動にも力を入れています。

大学アイコン
松井 ケティ 先生がいらっしゃる
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 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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