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講義No.07888

超音波を利用した小さな泡(マイクロバブル)が秘めた大きな可能性

目に見えないほど小さな泡

 100μm(マイクロメートル)以下の目に見えないほど小さな気泡、「マイクロバブル」。その特性は、浮上速度が遅いので液体内に滞留する時間が長いこと、非常に小さく数が多いので周囲の液体と触れる面積が大きいこと、泡の表面から内側に大きな圧力が働くことなどです。この特性を利用して、液体に気体をより多く溶かし込むことが可能になるほか、さまざまな分野への応用が研究されています。そこで最近注目されているのが、超音波を利用したマイクロバブル発生装置です。

超音波を用いたマイクロバブル発生法

 この装置は、超音波で振動するユニットにラッパを逆さまにつなげたような形状で、ここに気体を吹き込むことでマイクロバブルを発生させます。この装置には、有機溶媒や液化した金属、粘度の高い液体など、水以外の液体中にも、気化したさまざまな物質をマイクロバブルとして大量に発生させられるという利点があります。これは日本独自の技術です。
 バブルにしたい物質の中には、瞬間接着剤の成分であるシアノアクリレートのように、水に触れるとすぐに固まるものもあります。従来の方法ではバブルになる前に固まってしまいますが、超音波による発生装置では、シアノアクリレートの蒸気をマイクロバブルとして水に通すことで、微細な中空のカプセルを生成できるのです。

可能性が広がるマイクロバブル

 マイクロバブルは、幅広い分野への応用研究が進められています。例えば、次世代の超音波造影剤の開発です。これは「倍音」をよく反射するというマイクロバブルの音響特性を活用するもので、従来は超音波での検査が難しいとされてきた血流の様子を観察することが可能になります。また体内のがん細胞にピンポイントに薬を届けるドラッグデリバリーシステムなど、医療分野での応用に大きな期待が寄せられています。
 さらに、オゾンのマイクロバブルによる殺菌効果を利用した植物工場用の殺菌や、福祉の分野で期待される洗浄効果を持つバブルバスなど、その可能性はますます広がっています。

研究努力が水の泡? ~マイクロバブル技術~

夢ナビライブ2017 仙台会場

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この学問が向いているかも 機械工学

山形大学
工学部 機械システム工学科 准教授
幕田 寿典 先生

先生の著書
メッセージ

 何かに興味を持ったら、ぜひチャレンジしてください。私は学生時代、研究室にあった冷蔵庫の引き出しを水槽に見立てて、マイクロバブルを作り出す研究をしていました。また当時は、何か研究に使えるものはないかと、よく100円ショップを見て回ったものです。さほどお金をかけずともできることはいろいろとありますから、高校生のうちに、何か一つのことにチャレンジして自分の力で完結させる経験をしておきましょう。それが大学生になってから大きな力になると思います。

先生の学問へのきっかけ

 中高生の頃は、物理が好きでした。「物を投げたら、どこに落ちるか」というような日常の何気ないことを式で簡単に表せるというのが面白かったのです。大学進学の際には何か新しいものを創り出すことがしたいと、機械工学科に進みました。そこは流体系や熱系の研究室で、ディーゼルエンジンの研究をしていましたが、その時に環境学にも興味を持ち、大学院では環境学に進みました。そこで「泡(バブル)」を研究している恩師と出会い、泡の魅力にとりつかれてしまったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

自動車開発/自動車部品設計/輸送機器開発/印刷機開発/プラント設計/電気機器設計/機械加工工程管理/官公庁空港管理

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幕田 寿典 先生がいらっしゃる
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 山形大学は、東日本有数の総合大学であり、4つのキャンパスはネットワークで融合されています。社会のリーダーにふさわしい基本能力と幅広い教養を身につけるため、教養教育に力を入れています。大学運営の基本方針として、一つは、何よりも学生を大切にして、学生が主役となる大学創りをするということ、そしてもう一つは、教育、特に教養教育を充実させるという2点を掲げています。

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