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講義No.07878

その常識って本当? ~歴史の発見は疑うことから始まる~

定説を疑う目から、真実が明らかに

 あなたには好きな歴史上の人物がいますか? なぜその人物が好きなのですか? 例えば、あなたは幕末の井伊直弼と聞いてどんな人物を連想するでしょうか? 「勝手に日米修好通商条約を結んでしまった人物」という悪いイメージを持っている人もいると思いますが、果たして本当にそうでしょうか?
 教科書に書いてあることだけから言うと、それも間違いとは言えません。しかし、教科書に書かれているのは、その人のほんの一部でしかありません。実際に当時の文献をひもとくと、井伊直弼は勅許を得られないことに、非常に苦悩していたことがわかります。その時代の史料からは、彼の心の機微がうかがえるのです。

それは信頼できる情報か?

 出来事の背景までも読み取るのが歴史の研究です。「自分は知っている」という過信から先入観を持って見てしまうと、事実を見誤ることもあります。たとえそれが定説であっても、自分で文献にあたり、自らの頭で考える作業が必要です。また、目の前にある文献にはどれだけ信ぴょう性があるのかを判断していくのも大切なことです。特に、現代はインターネットから簡単にさまざまな情報が手に入る時代です。歴史の史料は膨大にありますから、情報を整理し、質の高い情報を取捨選択する必要があります。

日本人の知らない日本史、国際関係にまで波及

 明治維新は、当時の朝鮮にも大きな影響を与えました。朝鮮は開国後、日本の近代化の様子を知るために、使節団や視察団を送って来ました。このことは韓国の教科書には記述されていますが、日本の教科書には載っていません。海外の人が知っていて日本人が知らない、日本に関係する歴史は意外と多いのです。
 また、歴史は歴史だけにとどまりません。例えば現在の日韓関係では、歴史認識の違いが外交問題に発展しています。国際社会では、なにげなく発言したことが大きな波紋を呼ぶこともあります。現代を生きる私たちにとって歴史を知ることは、国際関係を築くうえでも大切な一つのツールとも言えるのです。


この学問が向いているかも 歴史学、文化史学

清泉女子大学
文学部 文化史学科 教授
狐塚 裕子 先生

メッセージ

 世の中には疑問に思えることがたくさんあふれています。ですからまず、いろいろなものに興味を持ってもらいたいと思います。小さな疑問やひっかかりを少しでも感じたら、そのままにせず、自分なりに調べ、考えてみましょう。そこから思いもよらなかった興味や関心が広がっていくことがあります。歴史もそうです。歴史学は過去の出来事について研究する学問ですが、現代の私たちがそこから学べることが数多くあり、それこそが歴史を学ぶ意義なのです。大学は、あなたの小さな疑問について深く、真面目に考えることができる場です。

先生の学問へのきっかけ

 大学の卒業論文では、明治政府が江戸幕府の政策を引き継いでキリスト教を禁止し、そして解禁するまでの経緯について研究しました。明治6(1873)年にキリスト教は黙許されますが、その背景に何があったのかが気になったのです。それまでは外交問題との関係ばかりが強調されていましたが、実は国内問題が大きく関わっていました。これがきっかけで、政治と宗教という分野に興味を持つようになりました。これまで自分が見聞きしてきた歴史の常識が本当かどうか、それを史料をもとに読み解いていくことに面白さを感じたのです。

大学アイコン
狐塚 裕子 先生がいらっしゃる
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 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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