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講義No.07629

超高層ビルからの夜景は何が違う? 都市の空間を解析する

建築の集まりが街並みや都市を作る

 建築とは、窓やドア、柱、階段、そのほかいろいろな部品が寄り集まって、一つの形になったものです。一つひとつの部品がデザインされていますし、それらの集合体である建築もまたデザインされたものです。建築が集まると街並みとなり、さらにたくさん集まると都市になります。「空間解析論」は、そうした建築の集まりからなる街や都市の特徴を探ろうとする研究です。

明るさによる景観の印象の違い

 東京のお台場、新宿、池袋の3カ所の超高層ビルの展望室から昼、夕方、夜に撮影された景観の写真を用いて、「開放的な―閉鎖的な」「統一感のある―多様な」といった21対の形容詞で景観を評価したアンケート結果があります。21対の評価形容詞は、都会らしさを表す「都会性」、にぎやかで華やいだ雰囲気を表す「繁華性」、形態的な特徴を表す「象徴性」、多様で不規則な状況を表す「多様性」に分類できました。「都会性」「象徴性」「多様性」に分類された評価には、昼、夕方、夜と明るさが異なっても、大きな違いが見られませんでした。一方、「無彩色―多彩」「寂しい―にぎやか」「静的―動的」「殺風景―趣がある」といった「繁華性」の評価は、いずれも昼、夕方、夜の明るさによる違いが大きく、これらが超高層ビルから眺めた都会の夜景の印象を特徴づけているということがわかりました。

街の明かりが作り出す多様な景観

 ちょっと注意して夜景を見てみると、例えばオフィスビルはどの部屋にも蛍光灯がついていて、一面真っ白に光って見えます。ホテルのビルは照明が温かな印象の電球色です。マンションのビルにはいろいろな色合いの照明があり、在宅の有無によって明かりがついていたり、ついていなかったりします。こうした特徴を持った建築の一つひとつが寄り集まって、都市の夜の多様な景観を作り上げています。
 このようにして、さまざまな角度からの視点で建築や都市を分析していくことが、空間を解析することの面白さなのです。


この学問が向いているかも 建築学

法政大学
デザイン工学部 建築学科 教授
安藤 直見 先生

メッセージ

 映画やテレビドラマ、小説などの場面には、いろいろな種類の建築が出てきます。それらはどこかで、物語の重要な部分に関係している場合があります。物語の流れを追うのとは別に、ちょっと見方を変えてそうした建築をチェックしてみると面白いでしょう。普段街を歩いていても建築はたくさん目にしますし、そもそも私たちは日々、建築の中に住んで過ごしています。そこに建築のさまざまな面白さが潜んでいるのです。

先生の学問へのきっかけ

 大学で建築を学んでみて、ヨーロッパの街にある広場について興味を持つようになりました。歴史的なヨーロッパの街の中心には広場があることが多く、広場の周囲にはさまざまな建物が建ち並んでいます。広場の様子は街によって異なり、同じ形の広場はありません。そして、その街の空間の特徴をよく表しています。
 「建築が集まったときに、また違う個性が現れる」ということに面白さを感じて、空間の特徴を解析する研究に携わるようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

建設会社設計施工など/設計事務所/ハウスメーカー営業設計施工など/不動産会社開発など

大学アイコン
安藤 直見 先生がいらっしゃる
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 法政大学は、都内に3つのキャンパスを展開し、人文科学・社会科学・自然科学の領域で15学部38学科、15研究科・3インスティテュートを擁する総合大学です。「自由と進歩」「進取の気象」という建学の理念に基づき、130 年を超える歴史と伝統を持ちながらも、絶えず時代のニーズに応える挑戦を続けています。学生一人一人が将来を見据えてキャリアをデザインしていける自立型人 間になるよう、法政大学は人材の多様性や個性を大切にし、高度なレベルの教育・環境・設備を用意しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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