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講義No.07545

地域づくりの新しい資源は、すべて地域の中にある

地域づくりの歴史から学び始める

 地域づくりの歴史とは、地域で起きた問題を解決しようとしてきた運動の歴史だといえます。日本では高度成長期の1960~1970年代に公害反対運動が起こりました。公害はまさに地域の問題で、都市化への警鐘となったのです。そこから景観保全・町並み保存・文化財保護の動きへつながっていきます。そして現在は、再び東京と地方の格差が拡大して、一極集中が大きな問題になっています。そこで地域の資源を探して暮らしやすい地域をつくる運動が起こり、大学でも地域づくりを学ぶ学生が増えてきました。

フィールドワークと地域づくり

 地域の魅力的な資源を探すうえで、現場で地域を動かしている人たちの話を聞き、分析していくフィールドワークという手法は大きな役割を担っています。「新しいことは研究室にはない、すべて地域の中にある」とすら言われるほどです。地元の成功事例も格好の研究材料であり、活動の中心にいる人たちはどこが違い、すばらしいのかを見つけ、調べていきます。ここでいう地域資源はまず、「人」です。例えば農産物の六次産業化をする場合でも、可能性のある品目を見つける人がいてこそ、始められます。どうすれば人は資源に気づくのかが、地域づくりのポイントです。

地域経済をどうやって回していくか

 とはいえ、地域づくりは簡単ではありません。そこに経済の仕組みや産業史などの史実を取り入れることで、しっかりした視点をもつことができ、地元の経済についても、見えるものが変わってくるのです。経済とは循環ですから、お金が地域でどう回っているのかを見定めます。稼いだお金がどれだけ域外に出て、域外からはどれだけ入ってくるのか、どのような仕組みで地域は収入を得ているか、といった調査・分析が必要です。さらに、地域の人たちが自力で持続していく活動を経済的な視点から学びながらも、「経済だけが残り、暮らしがなくならないように」していくことも、学問としての大切な役割なのです。

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この学問が向いているかも 地域経済学

高知県立大学
文化学部 文化学科 准教授
宇都宮 千穂 先生

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メッセージ

 私は文化学部で地域づくり論と文化政策論を担当しています。地域づくり論では、私の専門領域である地域経済学を基盤に、経済の視点から地域をどう豊かにしていくかを考えていきます。資料を読んだり統計の分析をしたりするだけでなく、外に出て、活動をされている人たちの話を聞き、交流しながら、情報をもらって学ぶのです。地域のことがよくわかる、とても楽しい学問分野です。高知は、優れた地域づくりの先進事例が多い地域です。ぜひ、一緒に学びましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は、医学や農学を学び、海外援助をする人になりたかったのですが、数学が苦手で、進路変更しました。「お金儲けの学問」と避けていた経済学部に入ってしまい、入学式も憂鬱な気持ちでした。そこで、ある教授の「経済学者は社会の医者である」という言葉を聞いたのです。あらためて見てみると、経済学は幅広く、私の興味に合う分野がありました。所属したゼミは、地域を調査する地域経済学。街へ出て人々の暮らしや地域の話を聞くことは、想像以上に魅力的でした。いろいろ大変なこともあるけれど、この学問が大好きです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

イベント制作/銀行/観光開発/まちづくりコンサルティング/小売業/大学院

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宇都宮 千穂 先生がいらっしゃる
高知県立大学に関心を持ったら

 高知県立大学は、永国寺キャンパスにある文化学部と、池キャンパスにある看護学部、社会福祉学部、健康栄養学部の4学部から構成されています。永国寺キャンパスにある文化学部は平成27年4月に定員を増員するとともに、従来の文学、言語の領域に加えて、地域、観光、法に関連する領域を充実しますので、幅広く学べるようになります。また、現在、新校舎を建築するなど、永国寺キャンパスの整備を行っています。文化学部の学生は平成27年4月から新校舎で学ぶことになります。

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