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講義No.07522

障がいのある子どもの行動に着目したアプローチ

「障がい」とは相互作用で生まれる「生きづらさ」

 あなたは「障がい」とは何だと思いますか? 例えば、車いすユーザーの人が歩道橋の階段を前に、向こう側に渡れない状況を思い浮かべてください。「障がい」は、階段が登れないその人の身体の構造や機能でしょうか。それとも、支援する人がいないことでしょうか。あるいは車を優先して歩道橋を作る社会の考えでしょうか。足が動かないというだけでは「障がい」は生まれません。本人と周囲の人や環境との相互作用の中で生まれる「生きづらさ」、それが「障がい」なのです。

行動に着目した「応用行動分析(ABA)」

 こうした「障がい」の本質を理解した上で、子どもたちの支援を考えることが大切です。自閉症スペクトラムなどの発達障がいの子どもたちが、環境に適応できなかったり、私たちから見ると不思議で困った行動をしたとき、子どもに「障がい」があるからだと考えてしまいがちです。どんな行動にも理由があり、環境との相互作用で考える必要があります。「応用行動分析(ABA)」では、なぜそのような行動を繰り返すのかを丁寧に分析し、特性に合った環境を調整し、子どもにとっての好ましい行動ができるよう支援します。

好ましい行動をほめて強化する

 ABAでは、子どもの行動を分析し、好ましい行動はほめて強化し、好ましくない行動は好ましい行動へ軌道修正します。具体的な方法の1つにスモールステップがあります。発達に合わせ細かい段階を設定し、ほめる機会を増やします。例えば、ズボンをはくという行動は、ズボンを持つ、足を通す、ボタンをとめるなど細かく分けることができます。達成したら積極的にほめます。また、練習の順序を後ろからするという工夫もあります。最後の仕上げをすることで、子どもは「自分でできた」という達成感を味わい、もう一回やろうという気持ちが持てます。
 ABAは、障がい児保育や特別支援教育の場や家族が対応を学ぶペアレントトレーニングなど多様な場所で応用されています。

障がいのある子どもの行動を理解するヒント

夢ナビライブ2016 名古屋会場

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私たちの態度が障がいを軽くする

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自閉スペクトラムの実例

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好ましくない行動への対応

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講義を視聴する(30分)

この学問が向いているかも 社会福祉学、保育学、教育学

関西福祉大学
発達教育学部 児童教育学科 准教授
米倉 裕希子 先生

メッセージ

 私の専門分野は、障がいのある子どもの発達支援と家族支援です。特に力を注いでいるのは、発達に遅れのある子どもとそのきょうだいを対象にした親子教室です。
 障がいのある子どもの教育は、特別なことをするのではなく、障がいのない子どもと同じ体験ができるよう「創意工夫」することです。教育や保育の環境を整え支援することで子どもたちの「生きづらさ」をなくすことができます。あなたも、障がいのある子どもの教育や保育を通して、子どもが「育つ・学ぶ・生きる」ということについて考えてほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 大学時代、障がいのある人の生活を支援するボランティアをしていました。車いすユーザーの人とよく行くレストランの入口には小さな段差があったのですが、何度も通ううちにスロープに変わり、お年寄りやベビーカーのお客さんもお店を利用しやすくなりました。それまで「社会は変わらない」「1人の力では変わらない」と思っていましたが、その経験から「障がい者が繰り返し街へ出て行くことで変えられることがある」「自分も社会に参加しているんだ」と考えるようになったことが、障がいのある人の支援を研究するきっかけになりました。

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米倉 裕希子 先生がいらっしゃる
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 関西福祉大学は、福祉・教育・保育・看護・スポーツに関わる高いレベルの学術研究と人材養成を通じて、全ての人々が、それぞれの発達段階を「こころ豊かに生きる」ことのできる社会の実現をめざしています、開学以来、少人数教育による、温かい人間的な交流や地域との連携を通して、専門的知識や技術だけでなく、優しさや思いやりといった豊かな人間性を重視し、人の想いにしっかり応えていくことのできるスペシャリストの育成に力を入れています。また、多様な学生を受け入れる、充実した入試制度を構築しています。

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