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講義No.07475

「心理カウンセリング」をデリバリーする?

増加するメンタル疾患

 小中学生の不登校児童・生徒は全国で12万人にのぼります。そのきっかけとして多いのが、うつや不安などのメンタル疾患です。またアスペルガー症候群などの発達障がいも社会的な問題となっており、多くの日本人がメンタル不調を抱えている現状があります。
 メンタル疾患の治療法として、臨床心理学の分野で最もスタンダードなのが、「認知行動療法」です。これは、ものごとの考え方や行動の仕方を分析して変えていくことで、症状を改善する方法です。

都市部に集中するメンタル疾患の専門病院

 そのために必要なのがカウンセリングによるセラピー(心理療法)ですが、心療内科などがある病院は都市部に集中し、地方にはケアが行き届きません。そんな中で、力を入れられているのが、地方への「心理カウンセリングのデリバリー」です。遠方の患者さんにテレビ電話などの機能を使ってカウンセリングを行い、セラピーを行うものです。
 これには、通常のカウンセリングとは異なる注意点があります。臨床心理学の専門知識のほかに、その地方特有の環境や地域性、経済状況、独特の文化や暮らしぶりなどその人のバックボーンをしっかりと把握して、個々の症状や考え方、行動などを分析し、解決方法を見つけていくことが必要になるのです。今までの心理療法は、病院に来てもらうところからスタートでしたが、地方の患者さんのところへデリバリーすることも必要な時代になっているのです。

予防の決め手は、「思考と行動」

 メンタル疾患にいわゆるワクチンはありませんが、ストレス対処の知識やスキルはそれに代わります。困ったとき、悩んだとき、不安に感じたときに、どう考え、どう行動をすればよいのか、自分自身でそれを知ることが、メンタル疾患の予防につながります。ものごとの考え方と行動の仕方は、自分自身の力で変えることができる、いわば自分の武器でもあり、使いこなせば何かあったときにセルフヘルプできる要素です。そういった予防に関する知識も今後、広めていく必要があるでしょう。

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この学問が向いているかも 臨床心理学、心理学

北海道医療大学
心理科学部 臨床心理学科 教授
冨家 直明 先生

メッセージ

 私は大学在籍中にひとりの先生と出会い、その生き方を見て、それまでなんとなく目標もなかった自分の進む道を見つけました。大学というのは「人間の博物館」のようなものです。
 研究に没頭する先生たちは、常に何かを求め、何かを追究し、何かに挑戦し続けています。また紆余曲折を繰り返し、破天荒な人生を送っている人も多いと思います。大学に入るときには目標がなくても、在学中にそんな人生の先輩の姿を見て、「ビビッ」とくることがあるでしょう。その感覚を大切にして、興味のあることを見つけていってほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 もともとは仙台で臨床心理士として仕事をしていました。その時に東北6県から患者さんが集まってくることに気がつきました。うつや不登校などのメンタル疾患の専門病院は大部分が大都市に集中していて、治療を受けるには遠方へ足をのばさなければならず、通院を諦める人も多いのが現状です。そんな患者さんたちを少しでもなくしたいと思い、地方をキーワードにした認知行動療法のデリバリーという研究を始めました。これからは医者のいるところに来てもらうだけでなく、治療そのものを患者さんに届ける医療も必要ではないでしょうか。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

スクールカウンセラー/精神科・心療内科臨床心理士/大学・専門学校講師/教育委員会相談員/福祉施設職員/ 民間企業労務・人事職/法務教官/製薬会社営業職/マスコミ(テレビ局) など

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冨家 直明 先生がいらっしゃる
北海道医療大学に関心を持ったら

 北海道医療大学は、薬学・歯学・看護学・臨床福祉学・臨床心理学・理学療法学・作業療法学・言語聴覚療法学・臨床検査学の6学部9学科を擁する、医療系総合大学です。9つの学科と歯学部附属歯科衛生士専門学校が密接にかかわり合い、「チーム医療」に最適な教育環境を提供しています。当別と札幌あいの里、2つのキャンパスには約3,500名が集い、学生の約3割は道外出身です。2万人を超える卒業生が、医療の担い手として全国各地で活躍中。本学に寄せられる求人は年間約30,000人にも及び、高い就職率を誇っています。

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