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熊本大学 工学部の教員によるミニ講義

関心ワード
  • 水、
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  • 工学、
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水の循環の研究が生命を守り・育み・支える

水田の役割はイネの栽培だけではなかった!

 水田の役割とは、イネを育てることと思うかもしれませんが、実は水田には、雨水を蓄え少しずつ地下に染みこませる、「涵養(かんよう)」という大事な役割があります。水田や畑に降った雨水は、いったん土壌に蓄えられ、地中に染みこんだ分が地下水になるのです。都市部でゲリラ豪雨が発生すると、短時間で道路が冠水したり、川が氾濫したりするのは、周りに田畑や森林のような涵養機能を持つ土地が少ないからなのです。

田んぼの水の「収支」を調べる

 水の循環過程を研究する「水文(すいもん)学」の中でも、田園の水を科学的に調査し、農業生産の安定化と、涵養機能の最適化を研究するのが「農業水文学」です。水が不足しても多すぎても、作物はうまく育ちません。日照りが続いたり雨が続いたりしても、田畑の水量を農作物の生育に適した範囲内に維持させるためには、水の「収支」をきちんと把握しなければなりません。そこで農業水文学では、川や池から受水できる量と排水できる量、地面や作物から蒸発する水分量、土質ごとの水の染みこみやすさを各種センサーで計測し、それぞれの田畑に適したかんがい用水のコントロール法を検討したり、田畑の形をデザインしたりもするのです。

農業水文学は、活動的で横断的な学問

 「科学者」と言うと、研究室に閉じこもって研究しているイメージがありますが、農業水文学は自然科学のジャンルにもかかわらず、現地で水の循環量を計測したり観察したりする、フィールドワーク中心の学問です。農業生産者からの聞き取り調査を行い、地下水をポンプで汲み上げて散布する設備を設計することもあります。また、水辺の生態系を観察することもあるので、社会学や工学、生物学の要素も含まれます。涵養機能を高めることは川の氾濫を抑える効果もあるので、都市計画にも関わる側面もあり、活動的で横断的な学問と言えます。

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この学問が向いているかも 水文学、水環境工学


工学部 社会環境工学科 准教授
濱 武英

メッセージ

 あなたは今、大学でどんなことを学びたいか、明確な目標を持っていますか。もしも具体的な目標が決まっていなくても、焦る必要はありません。「なんとなく面白そう」と思えるジャンルのことを勉強しているうちに、本当にやりたいことが見つかることも多いからです。
 私自身も、環境に関わることを学んでみたいというボンヤリとした目標で農学部に進み、そこで農業用水のことを調べている間に、水文学にたどり着いたのです。熊本大学で、あなたと一緒に学べる日を楽しみに待っています。

先生の学問へのきっかけ

 小さい頃から自然について学ぶことが楽しく、大学の進路選択では、理系で自然科学を扱う学部として農学部を選びました。農学部では、人間の生存と持続的な繁栄のために厳しい自然と共生する方法を学びました。自然をよく観察し、背後に隠れた自然の法則を推測し、それを生かして食糧や材料生産を改善するという過程はとても面白く、研究者を続けるモチベーションになっています。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

官公庁農村振興/土木系コンサルタント設計

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