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長岡技術科学大学の教員による講義

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ガラスを使った電池が、未来を変える!

ガラスは固体と液体の両方の特性を備えた素材

 ガラスは固体だと思い込んでいませんか? 確かに形状だけ見るとそうですが、ガラスは固体でありながら液体の特徴も持っています。ガラスが透明で、割れるのも液体的な性質の表れで、液体のように均一な物質であるために、一カ所に力が集中して加わると傷が入り、それが連鎖的に伝播して割れるのです。
 固体の場合には、原子分子が規則的に並んでいますが、ガラスは液体に近い構造で原子分子の並び方が不規則でフレキシブルなのが特徴です。この特徴を利用すれば、加工が簡単でどんな原子でも取り込むことができます。

ガラス+ナトリウムの電池で何ができる?

 この特徴を生かして新しい電池を作ろうという研究があります。ガラスを使った電池の材料として注目されるのがナトリウムです。ナトリウムは塩化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどでおなじみの身近で安価な材料です。一方、電池にはスマートフォンなどに使われるリチウム電池がありますが、リチウムは日本では採れないレアメタルです。市場価格で比較すると20倍以上の差があります。つまりナトリウム電池が普及すれば、電池の値段も安くなると予想されます。電池代が価格の半分を占めると言われる電気自動車がもっと安く買えるようになるでしょう。ナトリウムはリチウムより重いためコンパクトな電池は作りにくいですが、逆に大型の電池、据え置き型の電池には使いやすいわけです。例えば太陽光発電の電力を貯めておく蓄電池としての可能性が考えられます。

電池の材料の考え方を根本的に変える

 今の電池はまったく違う材料でできています。例えば、パソコンの電池は、黒鉛とセラミックと電解液という3つの異なる材料で構成されています。これを、すべて1つの固体で作ればコンパクトになり電池の容量やエネルギー密度が高められます。ガラスとナトリウムの複合材料で電池を作るという、材料の発想を根本的に変えるこの研究により、新しい電池の実用化が期待されているのです。

この学問が向いているかも 物質材料工学


工学部/工学研究科 物質材料工学専攻 准教授
本間 剛 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 今は材料、特にガラスの可能性を研究していますが、私は最初からガラスを追究しようと思っていたわけではありませんでした。機械や電気にも興味があり、高専時代には「高専ロボコン」に出場したこともあったほどです。
 幅広いことを勉強する中で究めたい道に出会い、選ぶことが大事です。ガラスの電池を研究しながら、それが電気自動車やロケットへの応用を考えていますが、いろいろな分野に関する知識や興味があれば、専門分野からリンクさせて発展させられると思います。

先生の学問へのきっかけ

 ガラスの研究を始めたのは、高等専門学校4年生のときの卒業研究がきっかけでした。ガラスは溶けた時の環境で、構造が千差万別であることに興味を持ったのです。ガラスという不思議な物質に魅了されて、大学・大学院を一貫してガラス材料の研究室で学びました。ガラスだけでなく結晶固体のもつ特異な機能性にも注目しました。そして、ガラスと結晶固体のお互いに良いところを取り入れた複合材料を作ろうと考えました。そして、この技術が次世代の蓄電池開発に役立つことを見出したのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

ガラスメーカー研究員/電機メーカー研究員/電池メーカー研究員

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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