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講義No.07202

日本人はなぜマラソンで勝てなくなったのか? ビジネスの視点で考える

経済活動としてスポーツをとらえてみる

 スポーツを社会活動としてとらえると、3つに分かれます。「学校での体育など、教育活動としてのスポーツ」「趣味として楽しむ運動など、文化活動としてのスポーツ」「Jリーグやプロ野球など、ビジネスの要素が関わる経済活動としてのスポーツ」です。特に、ハイレベルな領域で競い合うスポーツ選手の場合、練習環境や生活を維持するため、ビジネスとの関わりは重要な意味を持っています。

世界の変化に対応できなかった「実業団」

 マラソンは日本でも昔から注目を集めてきた人気競技で、かつては男女ともに世界トップレベルの選手を多数輩出し、オリンピックや世界陸上でメダルを獲得することもしばしばありました。しかし2000年代の後半から、アフリカなどから、もともとの身体能力が優れていたり、酸素の薄い高地で生まれ育ったりした、プロも含めた強力な選手が各国のマラソンレースに出場するようになると、日本の選手は勝てなくなってしまいました。
 原因の1つとして、日本のマラソンを支えてきた、企業による「実業団」というシステムが、世界のマラソンの環境の変化に対応できなくなっている点が挙げられます。世界のトップたちが戦う海外のレースで好成績を残しても金銭的に評価される仕組みが企業内になかったり、企業に所属しているがゆえにマラソンとシーズンが重なる駅伝にも取り組む必要があったりといった点など、さまざまな改善を要望する声もありますが、実現には至っていません。

プロになればうまくいくとは限らない

 では、個々のマラソン選手がプロになればうまくいくかというと、必ずしもそうとも言えません。サッカーや野球のようにスタジアムでの観客収入が見込めないマラソンでは、減少傾向にあるテレビの放映料収入以外に収入面でどんな活路を見出せるかが重要になります。選手が生活を維持するには、実業団のシステムの改善を図った方がうまくいく可能性もあります。マラソンに限らずスポーツの将来を考えていく上で、ビジネスの視点は必要不可欠なものなのです。


この学問が向いているかも 商学、経営学

一橋大学
商学部 商学科 准教授
中村 英仁 先生

メッセージ

 大学選びには正解はなく、「よく考えた大学選び」か、「あまり考えていない大学選び」しかありません。
 私自身、大学のパンフレットを集めたり、大学の先生の本を読んだりして、自分なりに一生懸命考えて大学を決めました。今思うと、あの時がんばって考えたことはとてもよかったですし、今の仕事につながっているとも感じています。あなたもいろいろな情報を集めて、どの大学がいいかをよく考えてみてください。その中で最後に選んだ大学は、きっと自分にとって良い選択になっているはずです。

先生の学問へのきっかけ

 走り幅跳びや三段跳びで、インターハイなどにも出場した陸上競技の選手でした。しかし、高校生のとき、将来を考えてみると、「このままだと実業団に入るか、体育の先生になるかのどちらかで、もしオリンピックには出場できたとしてもただ出るだけで終わってしまうのでは」と思い、そうした状況を変えられないかと、大学選びのときにいろいろ考えました。
 その後、一橋大学ではスポーツ社会学やスポーツ産業論について学べると知って、進学先を一橋大学に決め、スポーツマネジメントについての研究にも携わるようになったのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

エネルギー関連企業/電機メーカー/食品メーカー

大学アイコン
中村 英仁 先生がいらっしゃる
一橋大学に関心を持ったら

 一橋大学の大きな特色として、まず第1に挙げられるのは、我が国で最も伝統のある社会科学の総合大学として、常に学界をリードしてきたという長い歴史と実績、並びにこの伝統を受け継ぎ、人文科学を含む広い分野で、新しい問題領域の開拓と解明を推進する豊富な教授陣に恵まれていることです。第2は、商学部・経済学部・法学部・社会学部の垣根が低く、学生は各学部の開設科目を自由に履修することができます。また、10人から15人程度の少人数で行われているゼミナール制度(必修)を核とする少数精鋭教育も本学の特色のひとつです。

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