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講義No.07198

仮想のアイデアを形にする! ~デザインが生み出す未来の価値~

価値を見立てていくデザインの役割

 私たちの周囲のあらゆるものは、デザインされています。それら一つひとつ見ていくと、単に形や色や配置を決めることでなく、それを「計画して作っていく過程の中に新たな価値を見出すこと」こそがデザインの役割だと気づきます。
 例えば、スイス製の高級腕時計は、ものによっては数百万から数千万円もしますが、それでも喜んで購入する人が大勢います。そういった高級腕時計には、時計としての正確さ以外に、どんな価値が込められているのでしょう? そこに、価値の根源を見出して組み立てていく、デザインの役割のヒントがあります。

もし「半島航空」があったとしたら……

 島国で入り組んだ海岸線を持つ日本には、三方が海に面した半島がたくさんあります。半島は地形的に交通の便が悪い場合が多いのですが、美しい自然とおいしい食べ物に恵まれています。そこで、海上に着水できる水上飛行機を利用して、半島と半島を結んで運行する航空会社「半島航空」があったとしたら……どうでしょう?
 水上飛行機に客を乗せて低空を飛べば、海岸線の美しい景観を楽しんでもらえます。半島の奥まった場所に最高の設備とサービスを提供する「半島ホテル」を用意します。飛行機代や宿泊費などの料金は高くなるかもしれませんが、予算に余裕のある世界各国からの旅行者には、きっと人気の観光プランになり、日本の新たな魅力の提案につながるでしょう。

目からウロコを落として世界を見る

 例えば、この「半島航空」のような仮想のアイデアを、形にして人に見せると、その可能性を実現に向けて広げていくことができます。そのためにはまず、しっかりとデザインについて学んでいることが必要です。
 目からウロコを落として世界を見て、余計な先入観を持たずに、新しい可能性を見つけ出していく、つまり「だったりして」を形にしていくことで将来の可能性をビジュアライズ(目に見えるように)するのが、これからの時代にデザインが果たすべき役割なのです。


この学問が向いているかも デザイン学

武蔵野美術大学
造形学部 基礎デザイン学科 教授
原 研哉 先生

メッセージ

 デザインは身の回りの環境について考えることですが、そこにある可能性を「だったりして」という風に考えていくことだととらえてください。
 「自分の家の近所の駅が空港だったら」「自動運転の車が毎日迎えに来たら」、そういう仮想のアイデアからどんな可能性が生まれるのかを表現することが、デザインに一番求められている役割です。大事なのは「構想する力」です。誰も考えないようなことを発想し、それをビジュアライズ(目に見えるように)するのがデザインの本当の力だと思います。

先生の学問へのきっかけ

 絵を描くことが好きで、小中高とずっと芸術性を追求する作品を描いていたのですが、美大ではなく一般の大学に進学しようと思っていました。でもある日、美術の先生に「美大は受けないの?」と言われスイッチが入ったのです。しかしその時、なぜか芸術性を追求する作品を制作するという発想はまったくなく、本能的に「デザインだ!」と感じました。
 私の活動領域は、従来のデザイナーの領域からはみ出しているのかもしれません。私が信じるデザインは、「未来にあるはずのものを形にすること」です。

大学アイコン
原 研哉 先生がいらっしゃる
武蔵野美術大学に関心を持ったら

 武蔵野美術大学が教えるのは絵の描き方ではありません。目の前にある物事をどうとらえ、そこから何を見出し、どのように社会に還元するか、生きる上での指針となる学びを提供します。
 卒業生はこれまでに約6万名を数え、その活躍の場も、美術・デザインの世界にとどまらず、建築や映像、演劇、音楽へと広がりを見せ、「ムサビ」の愛称とともに高い評価をいただいています。
 未来に無限の可能性を秘めた皆さんを私たちは歓迎します。

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