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講義No.07174

電話事業の「規制緩和」がもたらしたもの

なぜ規制が必要? なぜ競争が必要?

 日本の社会には、政府によってさまざまな規制が施されている産業分野が存在します。その多くは、国内で重要と考えられていた産業を保護するためのものでしたが、最近になって、いくつもの分野でそうした規制を緩める「規制緩和」が実施されるようになりました。
 規制緩和によって企業の間に競争が生まれると、品質やサービスの向上、価格の適正化、新たな雇用の創出などのメリットがあります。一方で、そうした競争にあまり適さない公共性の高い分野では、ある程度の規制が施されている方が、社会にとってメリットが大きい場合もありえます。

電気通信事業の民営化による変化

 電話などの通信サービスを例に考えてみましょう。日本ではかつて、電電公社(日本電信電話公社)という特殊法人が、国内の電気通信を一手に担っていました。これは、日本全国どこでも均質な電気通信サービスを提供するという考え方に基づいたもので、公衆電気通信法により、電電公社以外の企業が電話のビジネスに参入することは規制されていました。
 しかしその後、1985年に公衆電気通信法が電気通信事業法に改正され、電電公社の民営化とほかの企業の新規参入条件の緩和などが認められると、長距離電気通信サービスに新たな企業が参入し、競争によって電話料金が下がるなど、社会にとってメリットとなる効果が生まれました。

大切なのは規制と競争のバランス

 最近では、携帯電話やスマートフォンの普及によって固定網の電話回線を契約しない人も増え、電話のビジネスは新たな局面を迎えています。携帯電話も当初は多くの企業が参入していましたが、通信に用いる電波の周波数帯の配分の制約などの事情から、現在は3社による寡占状態になっています。この現状をどうとらえるべきかは、議論の分かれるところです。
 社会情勢や技術革新による変化に常に対応しながら、その実情を考慮した上で、競争と規制のバランスを考えた施策を行っていくことが、社会のメリットを最大限にする上で重要なポイントなのです。


この学問が向いているかも 経済学

一橋大学
経済学部  教授
岡田 羊祐 先生

メッセージ

 高校生の時は、基礎学力をしっかり身につけてください。経済学を研究することをめざす人にとって、数学の知識は必須の要素です。あと、英語に関しては、経済学に限らず、どんな分野での研究をめざすにしろ、絶対に必要になりますし、使いこなせれば必ず役に立ちます。英語には、どこまでできればじゅうぶん、という限度はありません。高い水準の能力を身につけることを目標に、努力してほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 独占禁止法と競争政策について興味を持つようになったのは、高校の社会の授業の自由レポートで、新聞・書籍などの「再販売価格維持行為」について調べたことがきっかけでした。これは、メーカーが卸売価格や小売価格をあらかじめ指定して、卸売業者や小売業者にその価格を維持するようにさせる行為のことです。その頃から、市場経済における「競争と規制」という問題に興味を持ち始めました。
 社会情勢の変化や技術の進歩に目を向けながら、競争と規制のバランスを取り続けていくことは、健全なビジネスが行われていく上で大切です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

金融(銀行)/商社/サービス/メーカー/アントレプレナー/公務員/弁護士/公認会計士

大学アイコン
岡田 羊祐 先生がいらっしゃる
一橋大学に関心を持ったら

 一橋大学の大きな特色として、まず第1に挙げられるのは、我が国で最も伝統のある社会科学の総合大学として、常に学界をリードしてきたという長い歴史と実績、並びにこの伝統を受け継ぎ、人文科学を含む広い分野で、新しい問題領域の開拓と解明を推進する豊富な教授陣に恵まれていることです。第2は、商学部・経済学部・法学部・社会学部の垣根が低く、学生は各学部の開設科目を自由に履修することができます。また、10人から15人程度の少人数で行われているゼミナール制度(必修)を核とする少数精鋭教育も本学の特色のひとつです。

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