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講義No.07125

越境する人と文化~グローバリゼーションの視点と体験~

国際的な人と文化の移動に着目!

 地球規模での人の移動と交流は活発かつ大規模になっています。人間ばかりでなく、音楽、テレビ番組などの文化も衛星放送やSNSなどを通して瞬時に移動しています。
 このようなグローバリゼーションが進行している現代にあって、越境する人と文化の一つひとつに着目し、各国の市民の意識にどのような影響を与えているのか、これらの越境現象を相互理解や東アジアなどの地域の融和に向かわせるにはどうしたらよいのか、その解決の糸口を探ることも「地球市民学」の一分野です。

フィールドワークで培う視点と能力

 地球市民学の学びの手法の一つに、フィールドワークがあります。現代の私たちはネットを介して遠く離れた国の情報や映像に瞬時に触れることができます。でも、実際にはその国に行き、現地の人々と肌身に接し、本音の話をしてみないとわからないことが多々あります。
 例えば、フィリピンについて、多くの日本人は、暑くて貧しい国くらいのイメージしか持っていないかもしれません。しかし、この国の全国津々浦々を歩いてみると、これほど文化的多様性に富み、人情が豊かで、暮らしやすい国はありません。現地での広域で多彩な体験こそが、国際的な視点を身につけ、諸外国の人々と交流する能力を培うことにつながっていきます。

看護・介護労働者の国際移動も研究テーマに

 地球市民学が扱うジャンルはとても幅広く、私たちの生活に密着した問題も少なくありません。例えば、研究テーマの一つに「看護・介護労働者の国際移動」があります。日本を含む先進国における看護・介護労働力の不足が多くの場合、東南アジアの労働者によって補われていますが、そのことが受入国と送出国の双方でどのような問題を生み出しているのか、異なる文化を持つ労働者が同じ職場でうまく協働して「win-win」の状態になるには、どのような施策が必要なのかなどの研究が行われています。
 地球市民学とは、こうした身近で現実の問題をテーマとし、国境の垣根を越えた市民の目線で取り組んでいく学問なのです。

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この学問が向いているかも 地球市民学、国際社会学

清泉女子大学
文学部 地球市民学科 教授
大野 俊 先生

先生の著書
メッセージ

 私は学生時代、探検部の活動に励み、日本各地、ミクロネシア、タイなどで調査や住民との交流を重ねました。卒業後は新聞記者となり、社会部、外信部、経済部、海外特派員なども経験しました。
 現在はアジアだけでなく、欧州、北米、オセアニアなど地球的な規模で、国境を越える人と文化の実態や課題などについて研究し、政策提言も行っています。あなたが大学生になった時には、フィールドワークなど複数の授業を通して、国内外で活躍するために必要な語学力、調査力、文章力の習得、グローバルな視野の獲得に向けて応援したいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 フィリピン大学で修士号、オーストラリア国立大学で博士号を取得しましたが、論文の題材は共にフィリピン日系人です。彼らとの出会いは、計20余年務めた毎日新聞社の記者時代です。会社を休職してフィリピン留学中、戦前の日本人移民の子どもや孫である彼らにインタビューを重ねるごとに、日比の家族を引き裂き、現地残留の日本人・日系人にスティグマを負わせた戦争の罪深さを痛感しました。彼らの生活史を正確に書きとめ、その社会的意味を分析して国内外の多くの人に提示することが私に与えられた使命と思えるようになってきました。

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大野 俊 先生がいらっしゃる
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 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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