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講義No.07091

リハビリテーション医療だけじゃない、理学療法の可能性

スポーツ選手と理学療法の関係

 スポーツ競技では、激しい運動を長く続けていると、ケガや故障が頻繁に発生します。それらを100%なくすことは難しいでしょう。しかし、理学療法を活用することで、例えば野球の場合なら投球やバッティングのフォームを改良すれば各関節への負担を抑え、故障を未然に防ぐことも可能になります。
 理学療法というと、故障後のリハビリテーションをイメージされがちですが、故障を予防するためのサポートも含まれるのです。個々の選手の身体機能をみて、この部分の筋力を強化すればいいプレーにつながる、この関節を柔らかくすればパフォーマンスが上がるなど、よいコンディションで長く活躍できるよう具体的なアドバイスをすることもあります。

まずは信頼関係を前提に

 理学療法は、内科医が薬を処方して病気を治療するのとは違い、一人ひとりにじっくり向き合い、テーラーメイドで運動療法などのプログラムを組まなければなりません。またプログラムを提示しても、依頼者がそれに従って実践してくれなければ目標は達成できません。スポーツ選手に限らず、まずは対象者と1対1のしっかりとした信頼関係をつくらなければ効果は現れないのです。

90歳を超えても体力は伸びる!

 理学療法の研究チームが、90歳以上の高齢者グループを対象に筋力アップのプログラムを3カ月間行ったところ、ほぼ全員の筋力が1.7~1.8倍上がるという結果が出ました。また、驚くことに参加する前はスムーズに歩けなかった人が、3カ月後にはスタスタと歩けるようになったのです。ヒトの力というのは、高齢になっても伸ばすことができることを実証したわけです。
 最近は、理学療法の1つである電気刺激をがんなどの外科手術後の鎮痛や脳卒中などで麻痺した手足の機能回復に活用する研究も進んでいます。電気刺激による物理療法は、副作用がなく回復も早いので、今後の発展が期待されている分野です。このように理学療法の活用範囲は、実はとても広いのです。

参考資料
1:理学療法の一例

今後求められる理学療法士像とは

この学問が向いているかも 理学療法学、人間医工学

畿央大学
健康科学部 理学療法学科 教授
庄本 康治 先生

先生の著書
先生がめざすSDGs
メッセージ

 理学療法学科では、周囲によい影響を与えるリーダーとして活躍できる人材の輩出をめざしています。リーダーになるには、高い知識や技術に加え、やる気や特性といった感情や意志も重要です。そのために、学生個人個人に、テーラーメイド的な対応を心がけています。
 特に、言語的・非言語的なコミュニケーション力の強化に力を注ぎ、「元気塾」というものを実践しています。ここでは、学生が障がいのある人と直に接し、身体機能をみて教員と共にリハビリプログラムを立案するなど、実践力と総合力を高めています。

先生の学問へのきっかけ

 小学生の頃から学生時代まで空手に打ち込んでいて、将来は空手で身を立てようと思っていました。ところが、選手としてケガが多かったことから、リハビリテーション医療に興味を持つようになり、理学療法の道に転身しました。
 プロスポーツ選手の故障や高齢者のリハビリテーションをサポートする理学療法士として、患者さんと向き合い、一人ひとりに合った最適な治療を常に心がけてきました。
 現在は、大学の学科長として後進の指導をしながら、電気刺激によって痛みを和らげる物理療法の研究や電気治療機器の開発にも力を注いでいます。

大学アイコン
庄本 康治 先生がいらっしゃる
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 「健康」と「教育」分野のプロを育てる実学重視の大学です。多くの学生が人と関わる仕事を選び、資格・免許取得を目指していることから、大学全体がアットホームな雰囲気の中、学習に打ち込める環境となっています。人間の多面的な営みを科学的に理解し、社会における健康を学ぶ健康科学部では、学科の枠を越えてコラボレートした授業や実習でチーム医療を学べます。現代教育が抱える問題を解決できる力を養う教育学部では、教育実習以外に学校インターンシップなどの実践の場を多く用意しています。

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