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講義No.07080

苦い薬との上手な付き合い方

「良薬は口に苦し」なのはなぜ?

 子どもの頃、薬を飲むのが嫌だった人は多いでしょう。一番の理由は「苦いから」だと思われます。なぜ苦いものは子どもに嫌がられるのでしょう? それは自然界において、苦みは毒のサインだからです。苦いものを口に含むと、毒物かもしれないと思って拒絶してしまう味覚のシステムができあがっているのです。大人になるとコーヒーやビールの苦みは毒ではないことを経験知として体得しているので、苦みも味の一種として楽しむことができますが、子どもは動物的な本能として苦いものを飲み込みたくないと思ってしまうのです。
 では、なぜ薬は苦いのでしょうか。苦い成分の特徴として、水に溶けにくい性質が挙げられます。そして薬がよく効くためには、小腸で吸収されることが必要なのですが、水に溶けにくい方が吸収されやすいのです。「良薬は口に苦し」ということわざは、実は科学的にも裏付けがあることなのです。

小児喘息と薬の関係

 喘息(ぜんそく)はアレルギーの一種で、ハウスダストやダニが主な原因です。気管支が炎症を起こすため、冷たい空気やタバコの煙といったアレルゲン以外の刺激でも咳が出やすくなります。そのため炎症を抑えるコントローラー(長期管理薬)と呼ばれる薬を毎日服用する必要があります。急な発作が起きた時はリリーバー(発作治療薬)を使います。小児喘息は成長とともに症状が和らぐ例も多いので薬の量や服用方法の管理も大事になります。

子どもが飲みやすい薬とは?

 毎日飲む薬の苦みを感じさせない工夫として、カプセルや糖分を含んだ甘い皮膜で覆う「糖衣」、オブラートなどで包むという方法がありますが、どうしても剤形が大きくなり、小さな子どもには飲みづらくなります。小児喘息の場合、発症する3分の2は3歳以下なので、大きい剤形の薬を飲み込むのは難しいでしょう。そのため、粉薬や水薬といった剤形のものに甘い味や香りをつけて飲みやすくする方法が取られています。


この学問が向いているかも 薬学

高崎健康福祉大学
薬学部 薬学科 教授
森 哲哉 先生

メッセージ

 薬学部ではさまざまな知識を吸収し、最終目的は薬剤師になることです。高校では数学や理科などいろいろな科目を勉強すると思いますが、しっかり学んでください。薬学部では化学や生物、病気のこと、人間のことなど、幅広く学びます。その基礎となるのが高校のいろいろな科目なのです。
 薬剤師は、さまざまな人と接する仕事なので、コミュニケーションが大事です。コミュニケーション能力を磨くために、いろいろな経験をして、それをみんなで広く共有していくとよいでしょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代から生物や化学が好きでした。入った大学では教養課程を終える際に学部を決めることになっており、得意な生物や化学が生かせそうな薬学部に進むことにしました。薬学部では、有機化学や生物はもちろん、物理や病気のことなど、幅広い分野の知識を学びました。狭く専門知識を追究する学部よりも、幅広い知識を身につけて応用していく薬学のおもしろさに夢中になっていったのです。この分野は、人の仕組みを、科学的な視点からだけでなく、人類の歴史や感じ方などによって分析していく学問です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

病院薬剤師/調剤薬局薬剤師/公務員薬事関係/製薬会社研究員/製薬会社MR/医療機関治験コーディネータ

大学アイコン
森 哲哉 先生がいらっしゃる
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 高崎健康福祉大学は「あなたの笑顔が、わたしの笑顔」となるために7つの道で考え抜く大学です。乳幼児からお年寄りまで、あらゆる世代をカバーする「健康」「医療」「福祉」だけに特化した5学部・8学科をそろえ、人を支えることの出来る、前向きなチカラを育てています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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