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講義No.07077

食品の機能性成分を数値化し、生活習慣病の予防・改善に役立てる

海の厄介者から、驚きの健康成分を検出

 マグロで有名な大間町は青森県下北半島の先端に位置しています。ここで採れるコンブもマグロに負けない一級品ですが、海底にツルアラメという海藻が繁殖しコンブの生育を阻害していることに漁師さんたちは苦慮していました。駆除の良策を考えつつ、ツルアラメの成分を分析したところ、抗酸化作用のあるポリフェノールが、ほかの海藻より多く含まれており、抗肥満作用などの機能性が期待されるフコキサンチンという成分もコンブと同程度含まれていることがわかったのです。大間町の海の厄介者は新たな機能性食品として注目を集め、今ではコンブの代用品として商品化もされています。

果肉まで赤いリンゴに注目!

 果肉まで赤いリンゴが育成され、2010年に「果肉まで赤いリンゴ」第一号として農林水産省に品種登録されました。その名も「紅(くれない)の夢」です。リンゴは皮に色がついていて、果肉は白いのが一般的です。皮が赤いのはポリフェノールの一種、アントシアニンが含まれているからです。アントシアニンには抗酸化活性の健康機能性がありますが、日本では皮をむいて食べる習慣があり、捨ててしまうことが多いのです。でも「紅の夢」は果肉も赤いので、皮をむいてもアントシアニンを摂取することが可能です。

食品を知り、健康の向上に活用する

 もし食品がどれも同じ色だったら、おいしそうだとは感じないはずです。多種多様な色はおいしさの強調であると同時に、食品に含まれる機能性成分を表しています。同じ赤色でも、トマトの赤はカロテノイド、ツルアラメにも光合成を行うための補助色素として赤い部分があり、そこにフコキサンチンをため込んでいるのです。
 食品の色にはそれぞれ意味があります。その意味を見つけ出し、健康の向上に役立つ成分はあるのか、それがどのような仕組みで役立っているのか、科学的に数値化し、バランスのよい食生活への活用と健康維持につなげていくことが、今後ますます期待されています。


健康と食品のつながりを科学する

この学問が向いているかも 食品科学、食品栄養学

弘前大学
農学生命科学部 食料資源学科 准教授
前多 隼人 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 「1日1個のリンゴで医者いらず」とよく聞きますが、おばあちゃんの知恵のような昔からの健康法が存在します。それを科学的に証明するために実験を行い、「食品にどのような機能性成分が含まれているのか」「それは体にどのように影響し、また病気の予防や改善につながっていくのか」「活用するための数値化」などを行っています。
 栄養学は目まぐるしく変化し、常にアップデートが必要とされる学問です。これからの社会に必要不可欠な、とても楽しい分野だと思っています。

先生の学問へのきっかけ

 実家は北海道のお寿司屋さんです。そのせいかどうかはわかりませんが、当時から食べることが大好きで、それは今でも変わっていません。私たちは食品を食べることで生命を維持しています。食品の持つ機能は栄養素を供給する「一次機能」、おいしさなどの「二次機能」、健康維持に関わるさまざまな生体調節を行う「三次機能」の3つがあります。食品の機能性を明らかにし、三次機能における食品素材の活用をめざす研究を行っています。栄養学は目まぐるしく変わる学問で、常にアップデートが必要なのです。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

食品会社開発職/製薬会社研究員/保健所職員

大学アイコン
前多 隼人 先生がいらっしゃる
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 弘前大学は、人文社会科学部、教育学部、医学部、理工学部および農学生命科学部の5学部からなる総合大学で、すべての学問の基礎的領域をカバーしています。
 この総合大学という特性を生かして、本学では教養教育と専門基礎教育を重視した教育を行い、これからの社会に対応できる人材を育成することを目的としています。
 本学の学生は、歴史と伝統のある文化の香り高い弘前市で学びながら、地域の自治体や企業などと連携し、さまざまな活動に積極的に参加しています。

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