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講義No.07066

光と色が満ちあふれる大空間~生命体としてのシャルトル大聖堂~

シャルトル大聖堂とステンドグラス

 フランスの小都市シャルトルには、ゴシック時代に建てられた「シャルトル大聖堂」があります。全長130m、天井までの高さが36mもある巨大な石造りの空間で、その壁面は170枚以上のステンドグラスで彩られています。色ガラスを鉛枠で結合させて図像を描き出すステンドグラスは、窓の装飾として中世時代に登場しました。シャルトル大聖堂が建てられた12~13世紀には透明なガラスはなく、すべてが色ガラスでした。ステンドグラスを通して太陽の光が聖堂内に射し込むとき、そこは光と色に満ちあふれた荘厳な空間へと変貌したのです。

当時の人々にとっての「大聖堂」

 現代のように電気がなかった中世の人々にとって、ステンドグラスに彩られた大聖堂の内部は、おそらく異次元の世界だったのではないでしょうか。ステンドグラスが描き出す図像には、原則としてすべて意味があります。過去の建築物を研究するときに大切なことは、その時代の人々にとってその場がどんな意味を持っていたのかを、一つひとつ解き明かしていくことなのです。

時代とともに生き続ける建築物

 もうひとつ大切な視点は、大聖堂は決して過去の遺物などではなく、時代とともに変遷を重ね、今も生命体として生き続けているということです。ステンドグラス一つとっても、完成直後から現代まで、常に修復が重ねられてきました。修復のやり方一つにもそれぞれの時代が反映されているのですから、数百年に渡る人々の価値観や歴史観が刻み込まれていると言っても過言ではありません。
 第二次世界大戦のときなどは、ドイツ軍の爆撃から守るためにすべてのステンドグラスがはずされ、疎開させられました。そうした歴史的な歩みも含め、シャルトル大聖堂には無限のメッセージが込められています。私たちはそれを読み解くことによって、過去・現代・未来を結ぶことができます。それが美術史という学問が持つ魅力のひとつと言えるでしょう。

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この学問が向いているかも 美術史

清泉女子大学
文学部 文化史学科 教授
高野 禎子 先生

先生の著書
メッセージ

 海外旅行に行くとしたら、みなさんはどの国を選びますか? きっと、お目当てのファッションやグルメ、イベントなどがあるでしょう。それらに触れるときに大切なのは、どの国のどんな事物にも、長い伝統と文化が息づいているということです。それを学んで、私たちが培ってきた文化との相違を考えることが、歴史という学問の面白さのひとつだと思います。私はフランス中世のステンドグラスを通して、美術史研究を行っています。あなたも、ぜひ、一緒に学んでいきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 大学四年生のときに、友人と二人で三カ月かけてイタリア、フランス、スペイン旅行をしました。多くの美術館や教会を訪ねた際に、最も印象に残ったのがパリ大聖堂やシャルトル大聖堂のステンドグラスでした。これがきっかけで窓の芸術とは何か、勉強してみたいと思うようになりました。

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高野 禎子 先生がいらっしゃる
清泉女子大学に関心を持ったら

 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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