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講義No.07001

嫌いなはずの日本に、中国人観光客はなぜ大勢来るの?

実は思い込んでいるだけ

 あなたは「中国人は日本が嫌いだ」というイメージを持っているかもしれません。しかし日本で学ぶ留学生で一番多いのは中国人ですし、観光地や繁華街には大勢の中国人観光客が訪れています。「なぜ」彼らは嫌いな「はず」の日本に来ているのでしょうか?
 中国の歴史教科書を調べてみると、例えば南京事件のことも思ったほどひどくは書かれていません。少なくともこれを学んだからといって、必ず反日感情を抱くとは考えにくい内容です。実際、中国に行っても、反日感情を持っている人と出会うことはごくまれです。大多数の人には実際の「戦争の傷跡」の記憶などありませんし、そもそも無関心であるといえます。実は、私たちが「中国人=反日」と思い込んでいるだけなのです。

問題は歴史ではなかった

 日本と中国、韓国の関係は、1980年代頃までは経済力・技術力の上回っていた日本が支援するという立場でした。しかし、今や日本と中国、韓国は少子高齢化という同じ悩みを抱え、同じ土俵で勝負をしています。例えば、日本がいま力を入れている観光産業では、韓国がカジノを、中国がディズニーランド、ユニバーサルスタジオの誘致というように、同じ分野での争いが激化してきています。その結果当然、利害がぶつかり経済摩擦が起こります。そこで中国や韓国は「そういえば昔、日本はこんなことを我が国にしましたね」というカードを切り始めたのです。つまり、よく見聞きする歴史認識や領土の問題は「後付け」であり、本質的な問題は別にあるといえます。

相手をよく知ることが大切

 国際関係では「相手を知ること」が一番重要です。自分自身の「なぜ」を放置し、ほかの人の判断を鵜呑みにすることほど怖いものはないのです。ひとつの情報を得たら、必ずその反対意見も調べてみる必要があります。そして最後に判断するのはあなた自身です。ただ自分で考え判断を下すには、たくさんの知識が必要となります。いま国際関係で求められているのは、「親~家」(例えば「親日家」)ではなく、「知~家」なのです。


この学問が向いているかも 国際関係論、歴史学

阪南大学
国際コミュニケーション学部 国際コミュニケーション学科 准教授
永田 拓治 先生

メッセージ

 主に日本、中国、台湾の国際関係を研究しています。「国際関係」は、難しい学問ではなく実はとても身近なものです。例えば「中国人は日本を嫌っている」というイメージを持っているかもしれませんが、なぜ日本に大勢の中国人が訪れるのでしょう? こうした日常にある外国との関係の「なぜ」に答えを見つけることが、国際関係なのです。個人同士であってもコミュニケーションをとるためには、相手のことを知る必要があります。日常の「なぜ」を放置せず、相手国に対する知識を深め、自分自身で考え判断する、それが国際関係では大切です。

先生の学問へのきっかけ

 国と国との関係に「なぜ」をはじめて感じたのは大学一年生の時でした。高校の世界史の授業中、なにげなくユーゴスラビア紛争に関する資料をながめながら、強制収容所を作ったセルビアとはなんと悪い「国」だと、行ったこともないセルビアに悪い印象を持ったことを覚えています。その後、大学の図書館でなにげに手に取ったユーゴスラビア紛争に関わる本には、これまでとは全く異なった内容が描かれていたのです。その時の「なぜ」の衝撃がいまだにはっきりと残っています。この時感じた「なぜ」が私の研究の出発点になっています。

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永田 拓治 先生がいらっしゃる
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 阪南大学の特徴。それは、ビジネス、観光、国際交流、ファッション、スポーツetc・・・。あらゆる分野において、現場で学ぶ機会が多いことです。大学の外に出て、ココロとカラダを動かしながら学ぶ。業界で活躍するプロを講師として大学に迎え、刺激を受けながら学ぶ。社会に出て、社会と関わりながら、さまざまなチャレンジを繰り返すから、社会に出ることが楽しみになってくる。「就職に強いキャリア教育を実践する大学」です。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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