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講義No.06991

人の行動の地理的な側面を考える「行動地理学」

地域のイメージと居住地選択

 多くの人は、一生の間に進学・就職・結婚などの出来事をきっかけにして、居住地を移動します。そのたびにどこに住むかという選択に迫られ、好みや生活水準に応じて住む場所を選びます。一見、千差万別に見える居住地選択も、まとまったデータを集めると、似たような傾向があることがわかります。例えば、いくつかの国で、「自由に選べるとしたらどこに住みたいか」を尋ねたところ、現住地を除けば、観光・リゾート地を挙げる人が多いという結果が出ています。実際には、仕事や家庭の事情で希望通りの場所に移住できる人は少ないはずですが、情報化が進んで通勤せずに仕事ができたり、定年退職後の高齢者が増えると、地域のイメージが人の移動に大きな影響を与えることになります。

居住地選択の基準は時代によっても変わる

 住む地域を選ぶ際の基準は、家族構成や社会の変化にともなって変わります。例えば、ファミリー層の場合、専業主婦が大半を占めた時代には、働き手である夫の職場への通勤を優先して居住地を決める傾向が見られました。しかし、共働きの家庭が増えた現在では、夫婦双方の通勤を考慮して選んだり、小さな子どもがいる家庭では、保育園や学童保育の利用のしやすさを基準に住む地域を選ぶ傾向も見られるようになりました。最近、顕著になった人口の都心回帰には、そうした選択基準の変化も関係しています。

行政の施策にも影響を及ぼす「行動地理学」

 居住地選択のような人の行動は、一見、脈絡がなく不可解なものに見えるかもしれませんが、その背景を調べると理にかなったものであることがわかります。また、人の行動を個々に見ただけではわからなかった行動の原因が、地図に表したりまとまったデータとして処理することで、見えてくることもあります。こうした人の行動を地理学的に見ていくのが、「行動地理学」です。行動地理学は、行政の施策やビジネスの戦略を考える上でも重要な学問なのです。

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この学問が向いているかも 都市地理学、行動地理学

首都大学東京
都市環境学部 地理環境学科 教授
若林 芳樹 先生

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メッセージ

 地理学は文系と理系の両方にまたがる学問で、西日本の国立大学では文系の学部に、東日本の国立大学では理系の学部に所属する傾向があります。私自身、学位は理学博士で、理系の学部で教えていますが、出身学部は文学部です。大学入試センター試験でも、地理歴史の科目の中で、文系よりも理系の受験者が地理を多く選んでいます。大学で学ぶ地理学は、高校までの地理の教科内容よりももっと広い対象を扱っています。文系、理系といった区分けにこだわらないで、人間と自然の関わりを幅広い視野から学びたい人たちにお勧めしたい学問です。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

中学・高等学校学校教員/シンクタンク研究員/地図・GIS関連会社など

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 首都大学東京は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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