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講義No.06984

スマホから宇宙空間まで! 広がる電池の可能性

電池の発明・研究を支える「電気化学」

 あなたの家の中で電池が使われているものを探してみてください。10個や20個はすぐに見つかるでしょう。でも、なぜ電池が発電できるのか、それは案外知られていません。電池は、化学物質の酸化還元反応によって物質の持つエネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す仕組みです。この電気化学エネルギー変換は、熱によって発電機を回し発電する方式よりも発電効率が高いことがメリットであり、これまでさまざまな電池が発明、実用化されてきました。

拡大している電池の利用分野

 リチウムイオン電池は、小さくても長時間使用でき、繰り返し充電が可能という点で、パソコンやスマホなどのバッテリーに多く使われるとともに、航空宇宙の分野でも利用されています。小容量の携帯機器から出発し、現在は、車や電車、エレベーターなどビル設備での使用も可能にする大型電池が開発され、リチウムイオン電池の利用分野は拡大しています。
 このため「大容量の電池を安全・効率的に制御するための研究」も実用上の重要なテーマとなっています。

蓄電技術が電力系統を大きく変える

 電力系統では大量の電気を「自由に蓄えられない」という課題があります。現在、ハイブリッド自動車や鉄道などでは減速エネルギーを電気エネルギーに変換して電池に蓄えるという仕組みが実用化されていますが、蓄電技術がより進めば、例えば太陽光や風力などの自然エネルギーを蓄えて夜間や非常時など使いたい時に使うことが可能になります。実際に燃料電池やリチウムイオン電池が使われている電気自動車に充電しておいて、それを災害時や屋外での活動に使うことも考えられています。
 それが個人向けではなく、大型電池を使って、各地域で蓄電し電力供給が行えるようになれば、遠くの発電所から電気が送られてくるという現在の電力系統が大きく変わる可能性が見えてきます。その根本を担っているのが「電気化学」という分野なのです。


この学問が向いているかも 電気化学

金沢工業大学
工学部 電気電子工学科 教授
漆畑 広明 先生

メッセージ

 私は、電気化学やエネルギー変換の分野で、リチウム電池などの研究をしています。今、非常に話題の分野ですが、研究をする上で大切なことは、あなたが今、高校で学んでいる化学や物理、数学、英語などの基礎学力をしっかりつけることです。それが将来、どういうふうに役立つのか、なかなかイメージがつかめないと思いますが、高校での基礎学力の上に大学での専門科目があり、その上に企業でのいろいろな製品開発がつながっているのです。将来の夢に向けて、ぜひ一緒にリチウム電池や燃料電池の研究をしていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校生の頃から化学に興味がありましたが、専門の「電気化学」という学問に出会ったのは大学3年の専門科目の授業でした。電気化学は、化学反応を扱うのはもちろんですが、同時に電気を作ることも研究する学問で印象的でした。技術者としてどんな専門分野を選択するかを考えた時、単に面白い分野を探しても見つかりません。どんな学問も日夜勉強する困難を乗り越えた時、初めて面白さが見えてくるのです。大学で時間をおしまず勉学と研究に励み一つの研究をやり切ったことが私の人生の支えになっています。

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漆畑 広明 先生がいらっしゃる
金沢工業大学に関心を持ったら

 金沢工業大学では、講義等で「知識を取り込み」、それを仲間との実験・演習の中で「思考・推論」し、組み替え結びつけることで「新たな知識を創造」し、その成果を「発表・表現・伝達」する独自の学習プロセスを全科目で導入しています。さらに高度な研究環境の中で産学協同による教育研究を実践するとともに、夢考房など知識の応用力を高める多彩なフィールドを実現することで、獲得した知識を知恵(応用力)に転換できる「自ら考え行動する技術者」を育成しています。

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