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講義No.06905

船舶の排ガス規制に、シミュレーション技術を生かす

知られていない、船舶の排ガスの影響

 日本は海に囲まれているので、ものを運ぶのに船が使われることが多い国です。もちろん、国内では車を使った物流も発達しています。では、輸送によって排出される排ガスはどのような状態になっているのでしょう。
 自動車の排ガス規制は、日本ではかなり進んでいますが、自動車とは違い重油を主な燃料としている大型船舶の排ガスによる影響は、定量的には測られていないのが実情です。このような状況に対し何らかの対策を講じようと、国際的な機関なども動き始めています。

日本でも精度の高いシミュレーションが求められる

 船舶の安全や船舶による海洋汚染など海事に関する国際協力をすすめる国連の国際海事機関(IMO)では、各国で船舶の排ガス規制を行ってもよいとしています。これは、自国に入る各国の船舶に対して規制をかけることができるというもので、アメリカやヨーロッパでは規制の動きが進んでいます。
 船舶からの排ガスは大海原に出たらそれほど影響はないと言われていますが、湾内に入ると船が集中するので、陸域への大気汚染の影響も調べなければなりません。そのために日本でも精度の高いシミュレーションを行った上で、規制をする必要があると言われているのです。

北極海での影響評価にも生かす技術

 大気環境学の分野では、大気汚染に関して、人間の健康やPM2.5の環境への影響がどれくらいあるのか、また、規制した時にその地域にどれくらいメリットがあるかを調べ、その数値を予測しています。
 近年、地球温暖化の影響からか氷がとけて北極海航路が夏期の短い間、開通するようになり、今後多くの船舶が往来することも予測されます。これまで船舶が通らなかった場所ですから、国際的なルールの必要性も指摘され、船舶の排ガスが環境に与える影響を評価していかなければなりません。こういったところでも、大気環境のシミュレーション技術は生かされる可能性があるのです。


この学問が向いているかも 大気環境学、環境シミュレーション学

神戸大学
海事科学部 海洋安全システム科学科 准教授
山地 一代 先生

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メッセージ

 「天気はなぜ変わるのかな?」「今日はPM2.5の数値が高いと言われているけど、なぜかな?」など、生活の中で、環境について疑問に思ったことを、「あたりまえ」だと思わずに探究心を持って調べてもらいたいと思います。
 たとえその時に解決しなくても、疑問の「芽」をたくさん持って大学に来てください。海事科学部には、環境学、気象学、大気海洋学など、海洋に関するさまざまな専門の先生がいますので、海洋や大気、自然環境について一緒に学び、研究していきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 小さな頃から自然が好きで、理科の先生になりたいと思いっていました。大学受験の小論文のテーマが、オゾン層の破壊など環境問題に関するもので、「これからは地球環境を考えていかなければならない」と思うようになりました。
 気象学を研究する中で、気候変動に興味を持ち、野外観測を中心とした研究に携わりました。さらに、オキシダントやPM2.5問題の解決をめざし、シミュレーション研究に携わり、現在の海洋での大気環境学の研究へとつながりました。子どもの頃の自然環境への興味が、研究につながったのです。

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山地 一代 先生がいらっしゃる
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 また、神戸大学では、人文・人間系、社会系、自然系、生命・医学系のいずれの学術分野においても世界トップレベルの学術研究を推進すると共に、世界に開かれた国際都市神戸に立地する大学として、 国際的で先端的な研究・教育の拠点になることを目指します。

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