夢ナビ夢ナビは、さまざまな言葉をデータベースから検索・閲覧し、将来の進路を決める“きっかけ”を提供します。

講義No.06883

ロボットを賢くするための方法とは

初めて聞く言葉をどう理解するか

 人と話ができるロボットの開発が進んでいます。これまでの研究で、簡単な会話なら、かなりスムーズにこなせるようになってきました。ところがロボットには、弱点があります。あらかじめプログラムされた言葉の意味は何万語でも理解できますが、プログラムにない言葉はお手上げなのです。
 例えば、会話の中で知らないレストランの名前がでてきたとしましょう。人は、その店の名前が漢字で書かれているのか、またはカタカナ、英字表記なのかで、和食や中華、イタリアンなど属性の見当をつけることができます。このように、ロボットが初めて聞く言葉でも、少しは推測する力がなくては、人と自然に話すことはできません。

学習と検索の組み合わせで推定

 知らない言葉をロボットが理解する方法として、「学習」と「検索」があります。例えば、「なごみ亭」という店がシステムに登録されていなければ、人工知能が今まで蓄積されたデータに基づいて学習し、「平仮名の名前は和食の店に多いから、なごみ亭もそうだろう」と推定します。同時に、インターネットで「なごみ亭」を検索し、「和食」という言葉を含むサイトがたくさんあれば、「なごみ亭は和食の店っぽい」と推定できます。これらの結果を組み合わせることで、知らない言葉の属性を推定できます。

「知らないこと」を認識する難しさ

 このように、人工知能がたくさんのデータからその傾向を学習する方法を、「機械学習」と言います。最近では、より高度な機械学習を行い、未知の情報を高い精度で予測する「ディープラーニング」という方法が注目を集めています。
 知らない言葉が出てくる度に意味を尋ねるロボットでは、人間はうんざりしてしまうでしょう。けれども、ロボットは、自分が何を知らないのかをあらかじめ認識することはできません。これは古くから人工知能につきまとう問題として知られており、それを乗り越える技術がロボットを賢くするためのカギを握っているのです。

人の声を聞き取って理解し答えるロボット

夢ナビライブ2017 名古屋会場

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音声認識の枠組み

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漢字変換と音声認識の違い

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ロボットとの会話

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この学問が向いているかも 情報科学、知能情報学、音声言語処理

大阪大学
工学部 電子情報工学科 教授
駒谷 和範 先生

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メッセージ

 ロボットが人と自然に話をする、そんな未来が見えてきました。人と話せる賢いロボットをつくるには、人の声を認識し、話の内容を理解したうえで、次に何を話すのかを考える技術が必要です。そのために求められるのは、「声」すなわち「音の波」を理解する物理の知識、大量のデータを処理する数学の知識、さらに、言語学や心理学の知識などです。人と会話するロボットづくりに興味のある人は、これらの知識をしっかり身につけてください。そして、ぜひ私と一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は、紙と鉛筆だけを使って研究できる、抽象的な数学の世界への漠然とした憧れがありました。一方で、大学で学ぶことを考えた時、社会に役立つことを目的としている工学部がよいと思い、また「物理的なことより抽象的なことの方が面白そう」と思ったため、情報工学科に進学しました。そこで、人の言葉をコンピュータで扱う「自然言語処理」や「音声情報処理」という分野に出会ったのです。「人が話を理解するってどういうことだろう?」と不思議に思い、それを追い求めているうちに、気づいたら研究者になっていました。

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駒谷 和範 先生がいらっしゃる
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 自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。

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