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講義No.06882

人間と自然に会話できるロボットをつくる

自然に会話するために必要な機能とは

 人間の感情を認識し、仲よくなることを目的につくられた家庭用ロボットが発表され、注目を集めています。人とコミュニケーションをとるためには、自然に会話ができなくてはいけません。そのためには、ロボットに次のような機能が求められます。それは、「音声認識」「言語理解」「対話管理」「応答生成」「音声合成」の5つです。これらを備えたシステムは「音声対話システム」と呼ばれます。
 音声認識は、最近のスマートフォンにも用いられており、音の波である声をテキスト(文字)に変換する技術です。近年ビッグデータと呼ばれる巨大集積データの活用でさらに進歩しています。次に言語理解は、音声認識されたテキストの内容を理解すること、対話管理は次に何を答えるべきかを決めることです。そして、答えるべき内容をテキスト化し(応答生成)、テキストを音の波に変換します(音声合成)。これら一連の作業により、ロボットは人と話せるようになるのです。

ロボットの弱点

 人と比べるとロボットにはいくつかの弱点があります。例えば音声を認識する場合、人間は雑踏の中でも声と雑音を区別できますが、ロボットには雑音を含むあらゆる音が入力されてしまいます。また、人の会話は文法通りではなく言葉が省略されがちですが、ロボットは、会話の流れや背景にある暗黙の知識をくみとって省略された言葉を補いながら理解することが苦手です。「昨日何食べた?」「僕、ケンタッキー」「私はコンビニで済ませたよ」などという会話は、ロボットにとって理解が難しいのです。

ロボットはどこまで人に近づけるのか

 ロボットは、人間にとって困難な計算でも難なく答えをだすことができます。ところが、人には簡単なことがロボットは苦手です。例えば、うまく相づちを打つことや、相手の語尾に言葉を重ねてしゃべるなどタイミングよく話すことは、とても難しいことなのです。人間と仲よくなれるロボットをつくるカギは、「会話を自然にコントロールする技術の進歩」にあると言えます。


人の声を聞き取って理解し答えるロボット

この学問が向いているかも 情報科学、知能情報学、音声言語処理

大阪大学
工学部 電子情報工学科 通信工学コース 教授
駒谷 和範 先生

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先生がめざすSDGs
メッセージ

 ロボットが人と自然に話をする、そんな未来が見えてきました。人と話せる賢いロボットをつくるには、人の声を認識し、話の内容を理解したうえで、次に何を話すのかを考える技術が必要です。そのために求められるのは、「声」すなわち「音の波」を理解する物理の知識、大量のデータを処理する数学の知識、さらに、言語学や心理学の知識などです。人と会話するロボットづくりに興味のある人は、これらの知識をしっかり身につけてください。そして、ぜひ私と一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は、紙と鉛筆だけを使って研究できる、抽象的な数学の世界への漠然とした憧れがありました。一方で、大学で学ぶことを考えた時、社会に役立つことを目的としている工学部がよいと思い、また「物理的なことより抽象的なことの方が面白そう」と思ったため、情報工学科に進学しました。そこで、人の言葉をコンピュータで扱う「自然言語処理」や「音声情報処理」という分野に出会ったのです。「人が話を理解するってどういうことだろう?」と不思議に思い、それを追い求めているうちに、気づいたら研究者になっていました。

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駒谷 和範 先生がいらっしゃる
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 自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。

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