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講義No.06856

経営コストの削減に貢献する「離散凸解析」

応用研究が進む「離散凸解析」

 現実のさまざまな問題を数理モデルに置き換えて、計算できる形にしようという学問が、オペレーションズ・リサーチ(OR)です。その中でも「離散凸解析」は、1990年代後半から研究され始めた最適化の理論です。これまでに、ゲーム理論やネットワーク、ロジスティクス、経済の均衡を求める分野、電気回路などの工学一般にも応用可能であることがわかっていますが、最近では「在庫管理」と「スケジューリング」への応用が認められ、注目されています。

欠品を防ぎながら在庫保管費用を抑える

 企業が工場で生産管理をする場合、欠品は防がなければなりませんが、在庫保管費用も抑えなければなりません。つまり、欠品によるペナルティーと運営費を勘案してコストを最小にする計算が求められます。どれだけ在庫を持つかは、現場の勘や経験に頼っているのが実状でした。それを、コンピュータを使って客観的に計算しようというのがORによる在庫管理です。これまでにも計算方法はありましたが、時間がかかったり、規模が小さいものしかできなかったり、現場の状況に似せたそれらしい結果で我慢したりと、使い勝手はよくありませんでした。しかし、離散凸解析を使うと、瞬時に、より正確で適正な在庫量が計算できるようになるのです。

サービスを維持しながら人件費を抑制する

 離散凸解析は、コールセンターのオペレーターのシフトを組むスケジューリングにも応用ができます。できるだけお客さんを待たせないためには、人を多く雇う必要があります。しかし、それには人件費(コスト)がかかるので、企業としては「お客さんのクレームが出ない程度に人員を確保しておきたい」ということになります。したがって、時間帯ごとに、需要予測に基づいた予測値から必要なオペレーターの数を割り出します。これについても、離散凸解析で開発されたアルゴリズム(計算手順)とソフトウェアを使って、どの時間帯に何人のオペレーターが必要か、一瞬で計算できます。このようにORは社会に貢献しているのです。

参考資料
1:連続の凸関数と離散の凸関数
2:離散凸最適化ソフトを応用したデモンストレーション

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この学問が向いているかも 経営科学、経営工学、社会科学、経営学

東京都立大学(現・首都大学東京)※2020年4月校名変更
経済経営学部 経済経営学科 准教授
森口 聡子 先生

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メッセージ

 オペレーションズ・リサーチ(OR)では、数学やコンピュータを使って、現実社会のさまざまな問題の改善策や改良案を科学的に提示していきます。適用先は企業の経営活動から公共政策、日常生活の身近な問題まで多岐にわたるため、文系・理系を問わない幅広い視点が求められます。いま高校では文系・理系に分かれて勉強し、文理融合のイメージは湧きにくいかと思いますが、大学に入ったらORに限らず、文理融合の学問がいろいろとあります。そういった複合領域、境界領域で活躍することも念頭に置いて、勉強していってほしいと思います。

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 東京都立大学(現首都大学東京)は「大都市における人間社会の理想像の追求」を使命とし、東京都が設置している公立の総合大学です。人文社会学部、法学部、経済経営学部、理学部、都市環境学部、システムデザイン学部、健康福祉学部の7学部23学科で広範な学問領域を網羅。学部、領域を越え自由に学ぶカリキュラムやインターンシップなどの特色あるプログラムや、各分野の高度な専門教育が、充実した環境の中で受けられます。

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