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講義No.06854

生きる力と喜びをもたらす、生活支援ロボット

盲導犬の代わりに歩行をガイド

 日本には現在、視覚障がいのある人が30万人近くおり、そのうちの1万人は、盲導犬などの補助があれば自立した生活を送ることができると言われています。ところが盲導犬の数は千頭ほどで、育成にも時間がかかります。こうした問題を解決しようと、視覚障がいのある人を目的地まで安全に誘導するロボットの研究開発が進んでいます。

ロボットの目を詳細にシステム化

 これは画像処理・画像認識の技術を応用した研究で、地図情報をもとに、自宅から目的地までの視覚情報をロボットに記憶させます。ロボットの「目」となるのは、電子カメラやGPS、超音波、赤外線センサーなどです。これらを搭載したロボットを目的地まで歩行させながら、信号や横断歩道、ポストなどの目印を教え込むのです。そして、信号のある交差点ではカメラが信号を見上げて色を識別し、赤から青に変わった時点で動き出すといった詳細なシステムを作っていきます。さらに、センサーが歩道上の障害物を検知したらよけて通る、突然、障害物が飛び出してきたらすぐに止まるなど、急なハプニングにも対応するシステムを加えることにより、歩行者をより安全に守ることができます。

「視線」を伝達ツールに

 また、会話をすることが困難な人が、「視線」だけでも意思表示ができるシステムの開発も進んでいます。コンピュータ画面に五十音のパネルを表示し、例えば「ポ・テ・ト」という視線の動きを検知することで、それを文章化できるというものです。ほかにも音楽を聞く際に、視線で「選曲」「再生」「停止」などが可能です。この「視線検知システム」が開発されたおかげで、会話が困難な障がいのある人が、視線でコミュニケーションできるようになりました。
 ロボティクスの技術は多様な分野で役立っていますが、歩行ロボットや視線検知システムのような技術は、人が生きる喜びを感じ、自信をもって生活することを支える上でも非常に大きく貢献しているのです。


この学問が向いているかも ロボット工学

山梨大学
工学部 メカトロニクス工学科 教授
小谷 信司 先生

メッセージ

 技術者にとって大事なのは、「アイデア」と「行動力」、そして「コミュニケーション力」です。受験勉強は一人で黙々と行うという側面が大きいですが、大学の学びの場、そして社会に出てからものをいうのは、チームを動かす力です。自分の殻に閉じこもらずに、自ら発言する場、行動する場を積極的に広げていきましょう。また、理系であっても国語力は非常に重要です。問題を読み解く力、他人の考えを理解する力につながります。一冊でも多くの本を読み、考える力を柔軟に身につけていってください。

先生の学問へのきっかけ

 高校時代は、パイロットをめざしていて、航空大学の筆記試験には合格したのですが、子どもの頃からぜんそくや強いアレルギーがあったため、身体検査にはパスできませんでした。すっかり落ち込んだものの、好奇心旺盛で、新しいものが大好きだったので、当時出始めたばかりだったコンピュータの技術を専門に学んでみようと、心も新たに、第2の道へと進んだのです。そこで、ロボット研究の恩師と出会い、ロボティクスの世界へと足を踏み入れることになりました。現在は、障がい者の方々をサポートするロボット開発に取り組んでいます。

大学アイコン
小谷 信司 先生がいらっしゃる
山梨大学に関心を持ったら

 山梨大学は、教育学部、医学部、工学部、生命環境学部からなる国立大学です。「地域の中核、世界の人材」というキャッチフレーズを掲げ、地域の要請に応えることができると同時に、世界で活躍できる人材の育成をめざしています。水素と燃料電池の教育研究の国際的拠点であるクリーンエネルギー研究センターは工学部と密接に連携しています。
 教育学部、工学部、生命環境学部のある甲府キャンパスと医学部キャンパスは離れていますが、1年次生は全員が甲府キャンパスで基礎学力の修得と人格の陶冶をめざした全学共通教育科目を履修します。

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