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講義No.06792

生活を見守り、測る~住居環境工学の世界~

人の生活を「測る」

 住居環境工学や人間工学では、生活する人が、健康で、安全・安心に、そして快適に暮らせるようにするにはどうするかということを研究しています。とても近い分野として建築学がありますが、建築学は建物を建てることそのものを考え、そのための数値解析をします。一方、住居環境工学の分野では、「人が住居でどういう生活をしているか」「暑さ・寒さと人の生活」などを計測、解析し、基礎データを出していきます。まさに、使うことや人の生活を「測り」、安全で健康な生活にとって相応しいか評価することを専門にする分野です。

暑さ・寒さの温熱環境が快適な生活には重要

 住居の環境というと、光や音、暑さ・寒さを思いつくと思います。その中でも、暑さ・寒さに関する温熱環境は、命に関わることもある重要なものです。夏の熱中症や冬の温度差による死亡事故など、高齢者にとっては大きな影響があります。高齢者のための住まいづくりということで段差をなくす、手すりをつけるということが言われますが、熱環境をどうするかということも大きな課題です。
 例えば、お風呂は、冬のお風呂に暖房が必要だろうかと、最先端の計測器を持ち込み、湯の温度、風呂場の温度、入浴時間、入浴時の血圧などの実際のデータを取り、必要な環境についての解析を行うのです。

快適とともに命を守る研究

 季節だけでなく、昼と夜の温熱環境への視点から、夜、よい睡眠をとることができているかということを、家や人工気候室などの実験室でさまざまな年齢や性別ごとに体温、血圧、皮膚温、脳波まで測る研究もあります。
 このように、人の生活に関する「形のない部分」を測ることで得られた基礎データをもとに、家だけでなくエアコンやベッドなどの住設機器をつくる分野のものをつくるノウハウを持っている人たちと、すべての人の快適な生活のための技術を追究していくことになります。それは同時に、病人や介護が必要な人、高齢者の助けになったり命を守ったりする重要な役割を担っているのです。


この学問が向いているかも 住環境工学、人間工学、生活科学、健康科学

奈良女子大学
工学部※2022年月設置構想中 工学科(現生活環境学部) 教授
久保 博子 先生

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メッセージ

 私の研究室では、身近な生活環境の中での、健康や快適性などを研究しています。
 生活空間の中の暑さや寒さ、明るさや暗さなどを探究する方法のひとつに「測る」ことがあります。測った結果をもとに、子どもからお年寄りまで、いろいろな人が、健康で安全で安心に、そして快適に暮らすことができるようにさまざまなことを考えていきます。生活の中のいろいろなところを測ってみませんか? こういったことは、ほかの学科にはないオリジナルな研究です。一緒に研究できることを楽しみにしています。

先生の学問へのきっかけ

 子どもの頃、父の仕事の関係で引越しを繰り返し、いろいろな所に住んだことで、「家ってこんなに違うんだ」と知り、住居に対する興味がわきました。
 奈良女子大学に進み、現在の研究テーマ「住環境工学」を選択する決め手になったのは、大学に「人工気候室」という実験施設があったことでした。人工気候室とは、温度や湿度、明るさなどの環境条件を制御できる実験室で、エアコンの実験などに使われます。「こんな施設で実験できたらおもしろそう!」と飛びつき、以来私たちが健康で快適に暮らすことができるための研究を続けています。

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久保 博子 先生がいらっしゃる
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 世界に誇れる文化と歴史に包まれた静かな環境の中で、奈良女子大学は、時代や社会の要請に応え、女性の高等教育機関として、高度な学術研究に基づく教育環境を提供し、自立して社会で活躍できる女性人材を養成しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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