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講義No.06789

廃棄物からのエネルギー回収で、循環型社会づくり

ゴミや下水汚泥からエネルギーをつくる

 天然資源の利用を抑えるため、廃棄物からエネルギーを回収し、効率よく再利用する技術の研究が盛んに行われています。ひとつはゴミの利用で、ゴミの高効率な焼却発電や、生ゴミを発酵してつくるメタンガスを使った発電などです。もうひとつは、下水汚泥の利用で、下水処理の段階で漉(こ)し取った汚泥をゴミと同様に燃焼させたり発酵させたりしたもので電力を得るという同じ方法です。これらはバイオマス資源の有効な利用法として評価されています。

「静脈インフラ」の集約・効率化

 廃棄物を処理するのは、生物で言うと「静脈」にあたる働きになります。人口減少により社会基盤(インフラ)を維持する労力も減少していく中では、このような部分は集約化し効率のよいシステムを組むことが重要になると考えられています。現在は、下水は下水処理、ゴミはゴミ処理それぞれでエネルギー回収は完結していますが、互いに補完し、共通で処理できるのでは、という観点からの研究も始まっています。
 例えば、下水処理では微生物の力で汚水を浄化する工程がありますが、必要な酸素の供給やかく拌のために「ばっ気」という操作をします。これに要する電力は膨大で、国の電力の約1%を使用しています。ゴミで作った電力をそこに使う組み合わせもひとつのアイデアです。逆に、ゴミ処理には水分も出ますから、それは下水処理の分野で処理するなど、単純な連係から、さまざまな技術の組み合わせが考えられます。

アジアなどへの貢献も

 このように、別々に進められる研究や技術の融合を可能にし、地域の特性に応じた循環型の社会基盤をつくることが重要です。そのために、どのくらいエネルギーや環境負荷が軽減され、最終的にはコストがどのくらい下がるかという試算をし検討することも必要です。日本の社会基盤はかなり整備されているので、すぐに全面的な転換ができるわけではありませんが、これから整備が必要になるアジアなどの途上国にも貢献できる研究です。


水銀? 人類が使わないことを決めた元素

この学問が向いているかも 環境工学、資源循環科学

京都大学
工学部 地球工学科 環境工学コース 教授
高岡 昌輝 先生

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メッセージ

 進路を選ぶ時に大切なことは、人に相談するだけでなく、まず自分で何がしたいかを自問自答し、ロマンを持って、現時点での判断を「自分でする」ことです。
 また、高校時代にしかできない経験があると思うので、ぜひそれを満喫してもらいたいです。その年齢でしかできない経験はたくさんあり、それを経験してきている人にはバイタリティーがあると思いますし、環境工学コースの仲間になってほしいと思います。環境に興味を持ち、国内外の問題を解決する「共闘者」を求めます。

先生の学問へのきっかけ

 環境工学に関心を持ったきっかけは、小学生の時に読んだ1冊の本でした。四大公害病の1つで、神通川流域に発生したイタイイタイ病の真実を、医師や科学者が探究した『死の川とたたかう』というノンフィクションの本です。この本に影響を受け、大学進学は工学部と医学部で迷いましたが、工学部の中でも、電気や機械よりも自然に触れることができて、人間に密接した研究ができそうな「衛生工学」「環境工学」の分野をめざしました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大学教員/国家公務員環境関連・地方公務員環境関連/環境装置メーカー計画・設計/エネルギー関連会社など

大学アイコン
高岡 昌輝 先生がいらっしゃる
京都大学に関心を持ったら

 京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎にして基本理念を定めています。研究面では、研究の自由と自主を基礎に、高い倫理性を備えた研究活動により、世界的に卓越した知の創造を行います。教育面では、多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、教養が豊かで人間性が高く責任を重んじ、地球社会の調和ある共存に寄与する、優れた研究者と高度の専門能力をもつ人材を育成します。

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