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講義No.06747

最先端技術の融合から生まれた「迅速がん診断支援装置」

科学に求められる総合的な視点

 「振り子はなぜ振れるのか?」、これに対して、あなたならどのように答えますか。
 物理学上はいろいろな答えがあるでしょうが、振り子が振れるのは、誰かがその振り子を振ったからです。ガリレオは、振り子の周期が一定であることを発見しましたが、なぜそれがわかったのでしょう? それは、人間には体内時計があるからです。身体に時計を備えていなければ、時の感覚はないのです。いまの科学技術はそれぞれの領域では高度に探究が進められていますが、実はこのような総合的な視点が欠けているのです。

異分野間での最先端科学技術の融合

 宇宙で起きるものごとは、すべて関係し合っています。ですから異分野間で、互いに相手の言っていることがほとんど理解できないほど最先端の科学技術が融合することで、思いもよらない新しいものごとを生み出す可能性があります。例えば、「医学」と「物理化学」と「数学」の3者の間にはさまざまな境界があり、そのままでは議論がまとまることは難しいのですが、工学がまとめ役になることで、融合が可能になることもあるのです。実際に、そのようにして生まれたのが、「迅速がん診断支援装置」です。

針で刺すだけで2分以内にがんかどうかを分析

 この装置は体の組織に針を刺すだけでコンピュータが、がんかどうかを分析するというものです。これまではかなり時間がかかっていた診断が2分以内にできるので、病理医のいない病院でのがん診断に利用したり、例えば手術中に、その患部を切るか切らないかを手術の現場で判断したりすることもできます。この装置が5年の歳月を経て実用化にこぎつけた背景には、それぞれが最先端である、「医学のがん研究」「物理化学の質量分析」「数学のスペクトル解析」、そしてそれらを結びつけた工学の技術がありました。
 これからは、多様な科学技術を融合して新しいものを創出していく時代です。総合的な視野を持つためにも、異分野とのコラボレーションは必要不可欠なのです。

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この学問が向いているかも 先端材料理工学

山梨大学
工学部 先端材料理工学科 教授
堀 裕和 先生

先生の著書
メッセージ

 「1を聞いて10を知る」という言葉がありますが、逆に、9個知らないことがあることに気づくことが大切です。
 今はまだ何をやったらよいかわからなくても、何か1つ、興味のあることを究めていくとよいでしょう。そうすることで将来、異分野との連携の機会が生まれて、新しい展開が始まっていくことも十分あり得るのです。山梨大学は小さい大学ですので、学部間の垣根が低いのが特徴です。大学院では、医学と工学が融合した研究を行っています。両方の分野に興味のある人にとっては、大きな魅力があるでしょう。

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堀 裕和 先生がいらっしゃる
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 山梨大学は、教育学部、医学部、工学部、生命環境学部からなる国立大学です。「地域の中核、世界の人材」というキャッチフレーズを掲げ、地域の要請に応えることができると同時に、世界で活躍できる人材の育成をめざしています。水素と燃料電池の教育研究の国際的拠点であるクリーンエネルギー研究センターは工学部と密接に連携しています。
 教育学部、工学部、生命環境学部のある甲府キャンパスと医学部キャンパスは離れていますが、1年次生は全員が甲府キャンパスで基礎学力の修得と人格の陶冶をめざした全学共通教育科目を履修します。

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