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講義No.06703

住民参加の「まちづくり」を考える

震災後の集団移転先でのまちづくり

 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた地域では、復興をめざすまちづくりは、どのように進められているのでしょうか。宮城県沿岸部、岩沼市玉浦西地区には、もともと6つの地区がありました。その住民の7割弱に当たる約1000人が、集団移転することになり、住民参加で一からまちづくりを行いました。各地区から代表者3人、計18人の住民と市の担当者、外部有識者などが集まり、全28回、1年半以上もかけて意見を徹底的に出し合い、新しいまちのコンセプトから、どこに住むかの区割りまでを決定しました。

まちづくりのプロならではの視点とは?

 最初に、どんなまちにするかというコンセプトづくりを行った結果、「美しいまちなみ」「さまざまな施設が揃う」「緑が多い」「コミュニティがある」「高齢者や子どもが幸せなまち」など、7項目が決まりました。専門家は、住民の視点に立ち、プロならではのプラスアルファの要素を加えてまちを設計しました。
 例えば、敷地の北側と西側に植栽しましたが、これは玉浦地区のシンボルでもあった「いぐね」(家の周囲に植えた木)のイメージを残したものです。また、まちの中央には、もとの地域にあった貞山運河とほぼ同じ形の緑の道をつくりました。これらは住民からの希望ではなかったのですが、玉浦地区のアイデンティティーとも言えるものをとり入れることで、ふるさとを感じられるようにという配慮がなされたのです。

想像力を駆使して住む人の「想い」をかなえる

 さらに、まちなみを美しく見せるために、あえて道路にカーブをつけたり、事故が少なくなるように、車がスピードを落とすT字路を多くする工夫もされています。まちづくりや家づくりに関わるとき、つくり手にとって大切なのは、「不満が残らないよう意見を出し尽くしてもらうこと」「住人自らがつくったと思えるように、計画段階から十分に関わってもらうこと」「想像力を働かせて住む人の気持ちになって考えること」です。

住民参加による震災復興のまちづくり

夢ナビライブ2016 仙台会場

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被災者の住宅確保方法

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この学問が向いているかも 生活環境学

尚絅学院大学
総合人間科学部 環境構想学科 教授
阿留多伎 眞人 先生

メッセージ

 「まちづくり」は、生活をするすべての人々を包み込む、とてもやりがいのある仕事です。建築、土木、環境などの知識はもちろん、経済学や社会学、政治学など、ありとあらゆる知識が役に立ちます。また、想像力をはたらかせて、住む人の気持ちになることも大切です。ですから、若い時からたくさんの本を読んだり、いろいろな経験をして、どんな小さなことにでも本気で取り組めば、それはいつか必ず自分の力になります。遊びも勉強も本気で取り組むことが一番大切です。

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阿留多伎 眞人 先生がいらっしゃる
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 明治25年の創立以来、「キリスト教の精神を土台として、自己を深め、他者と共に生きる」人間教育を建学の精神に掲げ、6万人を超える人材を送り出してきました。2019年4月には「多様な学び」の実現に向けて「3学群5学類制」がスタート。人文社会学類、心理学類、子ども学類、学校教育学類、健康栄養学類で、何を学び、どのような将来を実現できるのかを明確にし、幅広い学問分野と現場体験の中から自分の将来を最適化する場を提供します。少人数で実践的な人間教育の伝統を受け継ぎつつ、教育改革を積極的に進めています。

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