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講義No.06620

宇宙の物質から、星や惑星誕生の謎を解き明かす

電波望遠鏡で微弱な電磁波を観測

 電波天文学は、宇宙からやってくる電波を電波望遠鏡で受信し観測して解析する研究です。電磁波には、電波をはじめ、エックス線、ガンマ線、赤外線、紫外線などが含まれており、それらを解析することで広い宇宙の様子がわかってきました。宇宙を詳しく知るためには、微弱な電波を発している星間(せいかん)物質の観測、研究が重要なカギとなります。夜空を眺めると星がきらきらと光り、星と星の間は真っ暗で何もないように見えますが、実はそこには星間物質と呼ばれる希薄な物質が存在していることが電波望遠鏡の観測でわかりました。つまり宇宙は真空ではないのです。

星間物質の構成要素は水素やヘリウム

 星間物質を観測し詳しく解析することで、どういう物質でできているのか、どれくらいの温度、密度でできているのかなどの特性を知ることができました。星間物質の主要な構成要素は水素ですが、さらにヘリウム、一酸化炭素などの地球上と同様の物質から成ります。そして、星間物質は宇宙に永遠に漂ったままではなく、万有引力の法則により少しずつ集まって星の芯が作られ、さらにその芯に星間物質が収縮し続けて星を形成していきます。つまり、地球で成り立っているのと同様の自然科学の法則で星が生まれるのです。

太陽と同じような星も誕生している

 しかし、誕生した星は永遠に輝き続けるわけではなく、最後には星の構成物質を宇宙空間へ放出し再び星間物質に還っていくのです。このように、宇宙では星が「生まれ、育ち、死んでいく」という壮大な営みが続けられているのです。太陽と同じような星も数多くあります。生まれたばかりのものもあれば、青年期、老年期のものもあるので、それらを観測しさまざまな成長過程の星たちを詳しく調べれば、46億年前に誕生した太陽系の成り立ちや、地球が生まれた過程も解き明かされると考えられるのです。
 現在、南米のチリで高性能の大型電波観測装置が稼働しており、電波天文学の研究はさらに飛躍的に進むと考えられています。

電波天文学で探る恒星と惑星の誕生

夢ナビライブ2017 東京会場

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電波で天体を観測すると?

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惑星研究急発展!

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電波望遠鏡の解像度を克服するためには?

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この学問が向いているかも 天文学

茨城大学
理学部 理学科 物理学コース・学際理学コース 教授
百瀬 宗武 先生

メッセージ

 電波天文学は、電波望遠鏡で電波を観測、解析して星や惑星について研究する学問です。
 あなたは宇宙のどんなところに興味を持っていますか? 宇宙を構成しているのは地球にあるのと同じ物質ですし、宇宙の中で星や惑星が生まれる法則は、地球上で成り立つのと同じ自然科学の法則です。ですから、宇宙に興味があったら、高校の間に物理や化学などをしっかり勉強してください。また、電波天文学には国際協力が不可欠ですので、英語の勉強にも力を入れてほしいと思います。

先生の学問へのきっかけ

 小学生時代から天文学や地球惑星科学には興味を持っていましたが、自分が研究者になるとは考えていませんでした。大学院進学にあたり将来を考えていたときに、惑星系の母胎とみられる原始惑星系円盤が電波天文学・赤外線天文学によって見つかったことを知り、「自分の手でそれらを詳しく調べてみたい」と思うようになりました。

先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

研究者(進学)/システムエンジニア/製造業開発/計測器メーカー技術営業/高等学校教員/地方公務員など

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百瀬 宗武 先生がいらっしゃる
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 茨城大学は、人文社会、教育、理、工、農の5学部からなる中堅的地方総合大学です。校地は水戸・日立・阿見の3地区に分かれており、各キャンパスとも学生を中心とした環境づくりを進め、教育研究施設の充実を図っています。幅広い教養教育と高度の専門教育により専門家として自立できる人材を育成するため、学部・大学院にて多様な学習の場を用意し、各分野で世界を先導する研究活動を推進しています。

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