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講義No.06525

就職環境を知って、将来のキャリア選びに役立てよう

即戦力を求め、非正規社員を増やす企業

 大卒就職の環境は、ここ20年で見ると大きく変化しています。まず、大学進学率が約3割から5割に上昇しました。バブルが崩壊した1990年代以降には就職氷河期が訪れ、企業は採用人数を大幅に絞り込みます。その結果、大学を卒業しても正社員として就職できない人が増えていきます。企業の経営環境は厳しくなり、以前は新入社員を教育する余裕がありましたが、即戦力を求めるようになります。また、人件費を減らすために、非正規採用を大幅に増やすようになりました。そんな中、学生や保護者は、ますます安定志向が強くなっています。

大学生の進路指導を行う「キャリア教育」

 自立できない学生も増えています。子どもから大人になる過程では、親離れ子離れがありますが、いつまでもべったりで、親を批判することはカッコ悪いという風潮さえ生まれています。国は大学生の進路に不安を抱くようになり、「キャリア教育」を2000年代に入って導入します。そこでは、社会人としての基礎力を身につけることや自己分析をして「やりたいこと」を見つけることが重視されるようになります。ただ、キャリア教育もスケジュールをこなすだけで精一杯で、学生はじっくり自分を見つめる時間がないという問題が生じています。

学生と企業のミスマッチという問題

 一方、企業側は即戦力を求めているため、せっかくキャリア教育を受けた学生の希望を生かすことができず、ミスマッチという問題が生じてきます。中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が入社3年以内に離職する「753現象」が問題視されています。
 仕事による教育的効果も失われています。以前は企業が新入社員を教育することで、仕事へのプロ意識を植え付けていましたが、それが現在では薄れてきているため、いつまでも仕事に自信が持てない人が増えています。このような厳しい環境ではありますが、学生には将来のビジョンを持つことが求められているのです。


キャリアって何だろう? 自分って何だろう?

この学問が向いているかも 教育学

福山市立大学
教育学部 児童教育学科 准教授
高澤 健司 先生

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メッセージ

 教育で重要なのは「気づき」です。いくら理解しているように見えても、自分で気づかなければ身につきません。その意味では、一方的に教えるのではなく、気づくようにしむけることが大切です。それは、本人が誰かと話すことで可能になります。できればいろいろな人と話をして、さまざまな意見に出会ったほうがいいです。そうやって気づきのアンテナを磨くことによって、高いレベルに達することができます。確かに時間はかかるかもしれませんが、教育にとっては最も近道で、効果的な方法です。

先生の学問へのきっかけ

 もともとは生物学を学ぼうと考えていましたが、世の中で最も面白い動物は「人間だ」と思い直して心理学を学べる大学へ進みました。
 当時、就職氷河期にあった同級生を見ているうちに、青年期の心の揺れ動きに関心をもつようになりました。私自身、高校時代から「自分は何のためにこの世にいるんだろう」とか、「自分がこの世からいなくなったらどうなるんだろう」と考えていて、このような問題をどうやって克服していくのかが気になったのです。そして現在も「働くこと」と「アイデンティティー」の関連について研究しています。
 

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高澤 健司 先生がいらっしゃる
福山市立大学に関心を持ったら

 福山市立大学は、福山市が設置する公立大学、4学期制による効果的な履修、4年間を通じた少人数参加型授業や、街と一体となったキャンパスを拠点に、福山市全体をフィールドとした体験型授業の充実が特色です。公立大学の特色を生かし、教育学部では地域の教育・保育施設との連携により実践力のある教育者・保育者を目指します。都市経営学部は全国初の学際的な学部で、環境を基盤として工学系、経済学系、社会学系の3つの領域を総合的に学び、持続的な都市社会の発展を担える人材を育成します。

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