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山口大学の教員による講義

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  • 犬(イヌ・いぬ)、
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イヌのがん研究から、1頭でも多くのペットを救いたい

イヌの病気での死亡原因の1位はがん

 ペットとしてのイヌは、ヒトに一番近い環境で暮らす動物であり、ヒトで見られるような同じような病気もたくさんみられます。イヌもペットフードでバランスのとれた食事をするようになり寿命が延びることで、高齢になってからがんと診断されることが増加しています。イヌの病気による死亡原因として最も多いのは、悪性腫瘍(がん)であり、大きな問題となっています。

イヌにとっての第4のがんの治療法を見つけ出す

 がんに対する治療法は、ヒトもイヌも同じで、抗がん剤、外科手術、放射線治療の3種類が主に用いられます。しかしこうした治療のみでは限界があり、それ以外の新たな第4の治療法を多くの研究者は模索しています。これまでイヌのがんに対する主な治療法は、ヒトの薬の量を調節して与える、という方法が行われてきており、イヌのがんの原因や発生メカニズムを解明して治療法を確立するという方法はあまり行われてきませんでした。理由としては、イヌのがん研究の研究者の数が少ないことや、日本の飼い主側の病気の動物に対する治癒への要求が高くない場合が多いことが原因でした。

ヒトの病気の解明にも役立つ

 獣医学研究はヒトの病気の解明にも役立ちます。医学研究で病気のモデルとして用いられる実験動物であるマウスでは、強制的に病気を起こさせるため、病気が自然発症するヒトとは条件が違うという問題があります。その点、病院に来るイヌは自然にがんになった動物であるため、よりヒトの病気に近い状態です。したがって、もしヒトのがんとイヌのがんのうち、同じメカニズムで発生しているがんが存在すれば、イヌのがんの新しい治療を見つけることは、同時にヒトのがんの新しい治療法になる可能性があるのです。このようなことが実現できれば、それは動物のためだけの研究にとどまらず、人間の医療にも貢献できる獣医学研究の新しい意義ということができるでしょう。

この学問が向いているかも 臨床獣医学


共同獣医学部 獣医学科 教授
水野 拓也 先生

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メッセージ

 私は、大学附属の動物医療センターで、臨床獣医師としてイヌやネコを診察しています。なかには、治療によっても治らない動物もたくさんおり、そのような病気の治療法の研究もしています。
 私の目標は、研究の成果を将来、病気になった動物の治療に生かすことです。さらにその先に、人間の医療にその成果を適用したいという夢があります。あなたが、そういう志を持っているなら、ぜひ一緒に研究しましょう。

先生の学問へのきっかけ

 動物医療では、人間の医学のように病気の原因やメカニズムを研究して治療方法を開発するということがあまり行われません。動物の治療には、人間の治療法を利用することが多く、このことに疑問を感じていました。確かに犬などは人間と近いところもありますが、動物そのもののメカニズムを解明しなければ、より高いレベルの治療を行うことはできません。そこで動物の診療をしながら、病気の研究を進め、現在は犬のがん、特にリンパ腫の研究をしています。遺伝子を使った新しい治療法を開発し、より多くの動物の命を救いたいと考えています。

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