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講義No.06499

進化の隣人「サル」の行動から「ヒトとは何か」を考えてみよう

ヒトの特徴って何だろう?

 人間とは、どのような特徴を持った生き物でしょうか? 直立二足歩行をすることでしょうか、それとも言葉を話すこと、道具や火を使うことでしょうか。倫理観や道徳性があること、と言う人もいるかもしれません。しかし、このような人間だけにある特徴を見ても、真に「人間」を理解することは難しいでしょう。人間が社会を形成し、そこで生きていくために大切なことは何か、進化の過程で近い関係にある動物、サルとの共通点から考えてみましょう。

母子の結びつきに欠かせないスキンシップ

 モノをつかむために手足に指があるのは、哺乳類の中でも霊長類である人間やサルだけです。サルの子どもの多くは、生まれた直後から、母ザルの胸や背中にしっかりとしがみつくことができます。母ザルは、乳を与えるときには子ザルを胸に抱きかかえるわけですが、このように胸と胸をくっつけて母と子が関わるのも霊長類共通の特徴です。
 また霊長類は、授乳時以外の時間も「だっこ」や「おんぶ」など、体をくっつけて過ごす光景がよく見られます。子育ての中で、スキンシップが重要な役割を果たしているのです。霊長類の中でも「おんぶ」ができるのは、ゴリラやチンパンジー、ニホンザルなど、比較的母と子の結びつきが長く続くタイプです。「おんぶ」は「だっこ」よりも親の背中と子どもの胸が密着するので、お互いの鼓動や体温を感じることができる、最も安心できる姿勢と言えるかもしれません。

ゴリラのお母さんは子どもを叱らない?

 ところで、サルは子どもを叱ることはあるのでしょうか。ニホンザルの場合、噛むまねや威嚇のような表情をして、子どもを叱ることがあります。しかし、ゴリラやチンパンジーなどの類人猿は、諭すようにゆっくりと子どもを移動させたりモノから遠ざけたりする行動はありますが、荒っぽいことはしないのです。では、サルは「ほめる」ことはできるのでしょうか。進化の隣人が持っている行動だけでなく、持っていない行動を考えることが、「人間」をより深く理解することにつながるのです。

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この学問が向いているかも 霊長類学、比較行動学

大阪大学
人間科学部 人間科学科 教授
中道 正之 先生

メッセージ

 いつの時代、社会であっても、人の生き様は多様です。日本で初めて「人間科学」という名前のついた学部として誕生した大阪大学人間科学部では、心理・行動学、社会学、教育学、人間学などのさまざまな学問分野の視点や方法を連携させながら、「人間とは何か」を探究しています。グローバルな視点を持ちながら、現場に向き合って課題解決にも取り組みます。「人間と人間の営む社会」に関心があるなら、この学部での学びは多くの刺激を与えてくれることでしょう。あなたにもぜひ〈知の冒険〉に加わってほしいと思います。

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 自由な学風と進取の精神が伝統である大阪大学は、学術研究でも生命科学をはじめ各分野で多くの研究者が世界を舞台に活躍、阪大の名を高めています。その理由は、モットーである「地域に生き世界に伸びる」を忠実に実践してきたからです。阪大の特色は、この理念に全てが集約されています。また、大阪大学は、常に発展し続ける大学です。新たな試みに果敢に挑戦し、異質なものを迎え入れ、脱皮を繰り返すみずみずしい息吹がキャンパスに満ち溢れています。

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