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講義No.06489

iPS細胞による再生医療技術と特許

医療は技術のかたまり?

 あなたは医療と聞いてどんなことをイメージしますか? 病院に行って医師に治療してもらうイメージかもしれませんが、科学という立場から見れば、医療の世界はものづくりの中から生まれた「技術のかたまり」であふれていると言えます。そういう意味では、iPS細胞で注目を集める再生医療もいろいろな技術の集積です。こういった技術を権利という側面から支えるのが、知的財産権の中のひとつ、特許権です。

「技術」を保護するのが特許

 知的財産権は、特許権、商標権、意匠権など、守るべき対象に応じて分類されています。商標権は企業や商品のマークや名前という信用、意匠権は製品の外観に関わるもの、そして特許権は製品に関する技術を保護するものです。
 特許は、例えば薬では、錠剤そのものは製剤特許、成分を作る製造法特許というように、薬に関するすべての技術を保護します。企業における技術開発は、ヒト・モノ・カネといった企業のリソースを使って完成されますが、それを簡単に模倣されるとリソースが無駄になり、次の発展への貢献ができなくなるため、一定期間その技術に関する権利を独占できることが必要となります。こういった意味からも特許は知的財産権の中で最も重要視されているのです。

国際的な特許競争に負けない戦略で貢献

 iPS細胞研究をはじめとする多能性幹細胞を使った再生医療でも特許が大きな役目を果たします。現在この分野では、どう分化させて患者に提供していくかという応用化が研究の中心です。しかし、この分野では受精卵から作られるES細胞(胚性幹細胞)を使った応用化研究で米欧が先んじてきたこともあり、特許でも競争になっています。
 日本には出発原料のiPS細胞に関する権利を持つというメリットがありますが、関連する特許の競争に負けると応用化への妨げが起こるかもしれません。知的財産権の研究分野はこの競争に負けない戦略を提案することで再生医療に関わり、支えることができるのです。


この学問が向いているかも 知的財産法、生命工学、技術経営学

大阪工業大学
大学院知的財産研究科  教授
箱田 聖二 先生

先生がめざすSDGs
メッセージ

 私は小さい頃は園芸に興味を持ち、どうしたら植物がよく育つか、高校生の時は料理に興味を持ち、材料をどう組み合わせたらおいしい料理になるかとワクワクした気持ちで取り組んでいました。
 そういった経験から、大学は農芸化学・発酵というバイオ関係に進み、その後製薬会社で研究や知的財産の部署に入りました。進路を選択する上で、何にでも興味を持って、それを探究するということはとても重要なことです。大学進学を考えているあなたも、ワクワクしながら、自分が進みたい大学を調べて選択してください。

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箱田 聖二 先生がいらっしゃる
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 大阪工業大学は、工学部・ロボティクス&デザイン工学部・情報科学部・知的財産学部の4学部17学科構成で、「人のために役立つものづくり」を追究しています。本学学生たちの学びの原動力は「社会を思う優しい気持ち」や「積極的に学問・技術を探究する情熱」。そのため、特色ある実験・演習やグローバル人材育成をめざした語学教育など、多彩な教育プログラムを展開しています。そんな「質を保証する教育」が高い就職実績につながっています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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