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講義No.06484

将来の仕事を考える中で「自分」が見えてくる

大卒の約3割が3年以内に離職

 大学に入って就職はまだまだ先の話と思っていても、2年生頃になるとキャリア教育が始まります。これは、将来社会に出て自立するためには何を準備すべきかを考える講義です。なぜ、そんなに早くから準備するのだろうと疑問に思う人もいるかもしれません。実は、学生にとって将来の方向性を決めるのは高いハードルです。せっかく会社に就職しても、大卒の3割もの人が3年以内に離職しています。長期間準備をしていながら、こんなことが起こってしまいます。このことから、キャリア選択がいかに難しいかを理解してもらえると思います。

就職活動で初めて「自分」の問題に向き合う

 ただ、これは学生だけが悪いわけではありません。就職するとは、社会の中に自分の場所を見いだすことです。自分がどんな存在かを知らなければ、社会との関係はわかりません。ところが、保護者の擁護のもとで生活している学生にとっては、そのような問題意識はありません。就職活動を始める段階で、初めて自分とは何だろうと考え始めるのです。いきなりそのような問題を突きつけられても、学生は不安になるだけでしょう。そうは言っても、逃げるわけにはいかないので、20年近く生きてきた自分で社会と向き合うしかありません。

他人の話を聞くことで「自分」を認識する

 自分の頭だけで「自分」を理解するのは難しいでしょう。「自分」は、他人の評価や他人との比較を通じて、初めて見えてきます。仕事をしている人は、普段からそういうことを行っていますが、学生は慣れていません。そこで、意識的に他人の意見を聞いて他人の見方を取り込むことが必要です。例えば、「キャリアとは何?」という問いに対しても、人によってさまざまな考え方があるはずです。それを知ることで、自分との違いがわかってきます。そこで初めて「自分」が理解でき、自分はこうありたいという姿が見えてくるのです。


キャリアって何だろう? 自分って何だろう?

この学問が向いているかも 心理学

福山市立大学
教育学部 児童教育学科 准教授
高澤 健司 先生

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メッセージ

 教育で重要なのは「気づき」です。いくら理解しているように見えても、自分で気づかなければ身につきません。その意味では、一方的に教えるのではなく、気づくようにしむけることが大切です。それは、本人が誰かと話すことで可能になります。できればいろいろな人と話をして、さまざまな意見に出会ったほうがいいです。そうやって気づきのアンテナを磨くことによって、高いレベルに達することができます。確かに時間はかかるかもしれませんが、教育にとっては最も近道で、効果的な方法です。

先生の学問へのきっかけ

 もともとは生物学を学ぼうと考えていましたが、世の中で最も面白い動物は「人間だ」と思い直して心理学を学べる大学へ進みました。
 当時、就職氷河期にあった同級生を見ているうちに、青年期の心の揺れ動きに関心をもつようになりました。私自身、高校時代から「自分は何のためにこの世にいるんだろう」とか、「自分がこの世からいなくなったらどうなるんだろう」と考えていて、このような問題をどうやって克服していくのかが気になったのです。そして現在も「働くこと」と「アイデンティティー」の関連について研究しています。
 

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高澤 健司 先生がいらっしゃる
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 福山市立大学は、福山市が設置する公立大学、4学期制による効果的な履修、4年間を通じた少人数参加型授業や、街と一体となったキャンパスを拠点に、福山市全体をフィールドとした体験型授業の充実が特色です。公立大学の特色を生かし、教育学部では地域の教育・保育施設との連携により実践力のある教育者・保育者を目指します。都市経営学部は全国初の学際的な学部で、環境を基盤として工学系、経済学系、社会学系の3つの領域を総合的に学び、持続的な都市社会の発展を担える人材を育成します。

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