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講義No.06361

iPS細胞を使って歯のエナメル質発生の謎に挑む

人の体の中で一番硬いところは?

 人の体で一番硬いのは、歯の表面のエナメル質という組織で、ダイヤモンドを10とするモース硬度の7の少し下、つまり水晶よりも硬いのです。
 動物が草を食べると砂や小石も口に入ってきます。歯がすり減って、ものが食べられなくなることは、そのまま自然界で暮らす生き物の寿命を意味します。エナメル質が厚く丈夫な生き物だけが種を繁栄させてきたという説があり、1億6000万年前のネズミの祖先が丈夫な歯をもっていたことが、その説を裏付ける証拠として話題になりました。

iPS細胞でエナメル芽細胞の誘導に成功

 人の歯はエナメル質と象牙(ぞうげ)質からできています。この二つがどうやって作られるかが解明されれば、将来、歯の再生を実現する第一歩となります。ところが、エナメル質を作るエナメル芽細胞は、歯が生えた後にはなくなってしまうため、これまで研究することが困難でした。しかしiPS細胞を歯原性上皮細胞と共培養することで、世界で初めてエナメル芽細胞を作ることに成功しました。エナメル芽細胞の研究が進めば、歯だけでなく同じメカニズムで発生する毛髪や、手、腎臓や肺などの遺伝的な病気についても解明が進むはずです。

抜けた乳歯を使ってiPS細胞を作る

 乳歯は、丈夫な永久歯が出来上がるまでの、いわばつなぎの歯で、役割を終えると抜けていきます。その乳歯の歯髄が、iPS細胞を作るのに、たいへん都合がよいことがわかってきました。皮膚などと違って紫外線にさらされていないのでDNAの損傷が少ないこと、さらに年齢による劣化も少なく、抜けてしまった歯を利用するので、わざわざ採血したり組織を採ったりする必要もありません。こうして乳歯から作られたiPS細胞は、実際に研究に活用されています。生物の進化の歴史から最新のiPS細胞まで、歯の研究はたいへん興味深く奥が深い分野なのです。

iPS細胞で歯のエナメル質発生の謎に挑む

夢ナビライブ2014 仙台会場

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この学問が向いているかも 医学、歯学

東北大学
歯学部 歯学科 教授
福本 敏 先生

メッセージ

 歯学部は大学で勉強したことが、あなたの将来の職業に直結する学部です。
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 私は野球が好きなのですが、先発完投型で行きたいと考えて小児歯科を選びました。それぞれ自分に合った選択肢があると思いますが、子どもの健康に寄与しながらその成長を見守る仕事にやりがいを感じています。

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 建学以来の伝統である「研究第一」と「門戸開放」の理念を掲げ、世界最高水準の研究・教育を創造しています。また、研究の成果を社会が直面する諸問題の解決に役立て、指導的人材を育成することによって、平和で公正な人類社会の実現に貢献して行きます。社会から知の拠点として人類社会への貢献を委託されている東北大学の教職員、学生、同窓生が一丸となって、「Challenge」、「Creation」、「Innovation」を合言葉として、価値ある研究・教育を創造して、世界の人々の期待に応えていきたいと考えます。

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