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講義No.06338

「○○○は、悪いことだが仕方がない、必要悪だ」。さて、○○○とは?

200年前にもあったエネルギー問題

 「○○○は、悪いことだが仕方ない、必要悪というものだ」「○○○をやめるだと? 経済を根幹から破壊するつもりか!」こう聞いて、なんの話を思い浮かべますか?
 これは200年近く前のアメリカでの議論で、○○○には「奴隷制」が入ります。しかし、現在の問題である「原子力発電所」を入れてもそのまま使えます。奴隷も原子力発電所も、経済を動かすという「エネルギー源」として広い視点からとらえると共通する部分が見えてきます。

石油は効率がいいエネルギー

 1863年アメリカ大統領リンカーンは「奴隷解放宣言」に署名を行いました。同じ時期、産業革命も進行し、かつて奴隷が担っていた労働を機械が行うようになります。新しい技術が次々発明され、石炭や石油などの化石燃料がエネルギー源として使われました。ある試算によると、現代人は、化石燃料を使うことで一人あたり約60~100名の奴隷を抱えているのと同じ状態にあるといわれています。
 石油は効率がよくて安いエネルギーなのです。このエネルギーを基盤に、現代文明は形作られています。しかし、いつまでこれまでと同じような形で石油を安く大量に使い続けることができるのでしょうか?

石油が使えなくなったら?

 実は、エネルギーと現代文明について考えるヒントは、最近のエジプト情勢にあります。エジプトは2011年に革命が起こり、ムバラク大統領が辞任し、その後も混乱が続いています。少ないながらもエジプトは石油産出国で、かつては輸出もしていました。国が主食である小麦を輸入し、補助金を出して国民に安く販売する余裕がありました。ところが1996年石油の輸出量はピークを迎え、以降どんどんと減り続け2008年には輸入国になってしまったのです。小麦の値段は上がり、人々の不満がたまり、社会は不安に包まれました。ソーシャルメディアも駆使した大規模なデモが行われ、ついには革命にいたってしまいます。
 歴史が動くとき、社会に変革があるとき、そこには技術やエネルギー問題が絡んでいるのです。

エネルギー問題から考える「半歩先の世界」

夢ナビライブ2018 東京会場

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この学問が向いているかも 国際関係学

清泉女子大学
文学部 地球市民学科 教授
山本 達也 先生

先生の著書
メッセージ

 あなたは、携帯電話がない世界を知っていますか? 私が学生の頃、渋谷のハチ公前で待ち合わせするのは大変でした。人が多すぎて、鼻のあたりとかしっぽの先とか決めておかないと会えませんでした。目立つようにハチ公の上に乗っている人もいたぐらいです。しかし、今は携帯電話ですぐにやりとりができますから、「ハチ公のあたりね」でじゅうぶんです。このようにひとつの技術が社会に浸透するといろいろなことが変わってきます。SNSで革命が起こせてしまう現在を、私たちはどう生きたらいいのか? 一緒に考えていきましょう。

先生の学問へのきっかけ

 中学2年生の夏休み、オーストラリアにホームステイに行きました。生まれて初めての海外でした。南半球は、日本と季節が反対なので冬でした。また、南半球が上となっている(オーストラリアを中心とした)地図も目にしました。「日本の当たり前が当たり前でない」ことに衝撃を受けました。人生のもう一つの衝撃体験は、インターネットとの出会いでした。「技術」にも、これまでの常識を根本的に変えてしまうだけの力があると知ったのです。それ以来、国際社会の変化を「技術」という視点から解き明かそうと思い、研究を続けています。

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山本 達也 先生がいらっしゃる
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 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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