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講義No.06336

日本の仏像研究の魅力とは

著名な仏師が活躍した鎌倉時代

 飛鳥時代に仏教が伝来して以来、日本では仏師たちによって数多くの仏像が作られるようになりました。当初は大陸からの影響を多く受けていたその様式や技法は、時代によってさまざまに変化し、次第に日本独自の特徴も備えていくようになりました。日本の仏像が最後の頂点を迎えたのは、運慶をはじめとする著名な仏師が活躍した鎌倉時代です。平安から鎌倉へと移りゆく時代の変わり目に現れた運慶は、戦乱で荒れ果てた奈良の興福寺や東大寺などの寺院の復興にも、そして武士によって築かれた新しい都である鎌倉の周辺でも活躍しました。

個性を前面に出す道を自ら切り開いた運慶

 運慶が作った仏像は、平安時代後期までの貴族文化の影響で生まれた穏やかな作風のものとは対照的に、より現実的で目が覚めるような力強い雰囲気を醸し出すなど、自身の個性を前面に出した作風が特徴です。逆に言えば、個性を前面に出して仏像を作る道を自ら切り開いたのが、運慶であったとも言えるでしょう。
 例えば運慶は、自分が作った仏像に自ら自分の名前を記しましたが、そのようなことはそれまで誰もしていませんでした。信仰の対象として拝むための仏像としてだけでなく、仏像自体が美術作品としての価値も併せ持つようになったのです。

国内に存在する貴重な文化財に触れられる研究

 日本国内には、すでに作者が知られている有名な仏像ばかりでなく、詳細がよくわかっていない仏像が数多く残されています。最近では、そうした仏像をX線で撮影して、内部の構造や納入品を確認するなど、さまざまな手法を駆使して詳しく調査することも可能になってきています。
 私たちの国、日本という国の中に存在する貴重な文化財に、自分の手で実際に触れて調査することができるのは、仏像研究の大きな魅力です。まだ世の中に知られていない仏像も、より詳しく調べていけば、その真の価値を見定めていくことができるかもしれません。

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この学問が向いているかも 日本美術史

清泉女子大学
文学部 文化史学科 教授
山本 勉 先生

先生の著書
メッセージ

 私は、日本美術について研究しています。日本美術史は、日本で制作された美術作品や文化財について研究する学問です。例えば、飛鳥時代に日本に伝来した仏教とともにもたらされた仏像は、その後日本独特の発展を遂げて、鎌倉時代までの各時代に幾度もの頂点を築きます。時代を追って仏像の変遷を追うことは、とても奥が深く、興味深い世界です。
 仏像だけではありません。このように、日本国内に残されている作品や史料から貴重な情報を得ることができる日本美術史に興味があるなら、あなたもぜひ研究に挑戦してみてください。

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山本 勉 先生がいらっしゃる
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 清泉女子大学は、日本語日本文学科、英語英文学科、スペイン語スペイン文学科、文化史学科、地球市民学科の5学科で構成された文学部と、大学院人文科学研究科からなるキリスト教ヒューマニズムに基づく女子大学です。キャンパスは東京都品川区の島津山と呼ばれる閑静な住宅街にあり、すべての学生が4年間の大学生活をこの緑豊かな恵まれた環境の中で過ごすことができます。「まことの知・まことの愛」という教育理念のもと、少人数教育による人格的触れ合いを通して、自分で考え、決断することのできる女性を育成します。

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