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熊本大学 工学部の教員によるミニ講義

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鉋がけ技術の極意をセンサで分析する

「鉋がけ」での筋肉の動きを計測する

 筋肉は収縮すると微弱な電気が流れます。この電気を読み取って、筋肉の動きを計測するのが筋電センサです。このセンサは、医療やロボットなどさまざまな分野で利用されています。
 ここで紹介するのは、伝統技能を学習するためのシステムです。特に「鉋(かんな)がけ」に注目して、上手な鉋がけとは、どういう筋肉の動きによって行われているのか、またそれを習得するためのアイデアを紹介します。

上手な鉋がけで働く筋肉とは

 鉋がけで関係するのは腕の筋肉なので、腕を伸ばしたり曲げたりする上腕二頭筋、三頭筋と前腕を回すために使う腕橈骨筋(わんとうこつきん)、円回内筋の4カ所に筋電センサを取り付けます。
 実験したのは、鉋をまっすぐ水平に引く動作と、右や左をやや浮かせて引くという3つの動作です。言うまでもなく、鉋がけが上手にできるのはまっすぐ水平に引く動作です。その時は上腕二頭筋、三頭筋のセンサの値が大きくなることがわかりました。問題は、この結果を技能の習得にどう役立てるかです。

鉋がけを習得するためのシステム開発

 考えたのは、計測結果を電磁力に反映させようというアイデアです。電磁石を組み込んだ鉄の台を作り、模擬鉋で鉋がけを行う動作をするのです。学習者は筋電センサを取り付けて、模擬鉋を前後に動かします。本物の鉋がけでは、接地面からわずかに負荷がかかります。電磁石でそれを再現します。動作が正しく行われず、筋電センサの計測値で異常な値が出た場合は電磁石が強く働き、台と模擬鉋がくっついて、強制的に動作を止めるようにしました。そうすれば、学習者は模擬鉋がとまらないように注意してまっすぐ水平に引くように心がけます。このシステムを使うと、学習者は確実に上達することがわかりました。ビデオでの学習者と比べても、顕著な差が出ました。
 開発にはアイデアが必要です。いいアイデアを生み出せれば、そこからこれまでにない新しい製品が生まれることもあるのです。

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この学問が向いているかも 機械システム工学


工学部 機械システム工学科 教授
原田 博之

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メッセージ

 私の専門はロボット工学です。ロボット開発にはいろいろなアプローチがありますが、その中で私はロボットを使った機械加工システムを開発して、その中にセンサを導入して、ロボットをきちんと動かすための基礎データを集めています。もう一つの研究テーマは、運動矯正システムの構築です。運動を行う場合の人間の体の信号、例えば、筋肉の動きを計測して、それをデータとして保存・分析して、運動技能を習得するための学習システム作りに役立てています。興味がある人は、ぜひ一緒に研究しましょう。

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