発生生物学、生殖生物学
弘前大学
農学生命科学部 生物学科 准教授
小林 一也 先生

私が研究している扁形(へんけい)動物の「プラナリア」は、細かく切っても、自分の力で再生します。今研究室にいるプラナリアは、30年も前に採ってきたもので、私が大学生だった頃にも研究室にいたのです。私はずいぶん年を取りましたが、プラナリアは変わりません。生き物は、想像以上に巧みな戦略で子孫を残します。生物は自分で語ることはできませんが、観察していると時々秘密を明かしてくれます。新しいことを自分で切り開き、発見していくプロセスは、とても楽しくハッピーです。ぜひ一緒に研究しましょう。

幼い頃から昆虫が大好きで、いつも虫取り網を持って外を走り回っていました。小学校低学年の時にはすでに七夕の短冊に「将来の夢はノーベル賞を取ること」と書いて、博士になろうと思っていました。生き物に対する情熱はその後もぶれることはなく、大学時代に出会った「プラナリア」の研究を、現在も続けています。生物を見て、そこに起こる現象の不思議さを感じとり、「もしかしてそうかも?」と予想したことが、実験で確かめられた瞬間が一番幸せです。