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神戸大学 経済学部の教員による講義

関心ワード
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  • 経済政策、
  • 流通、
  • 商売、
  • 競争

なぜ、書籍や音楽CDの値段はどこの店でも同じなのだろう?

経済政策は経済活動のコントロール手段

 経済学には、企業や産業全体の経済活動を分析し、うまく動かしていくためにはどうすればいいのかを考える産業組織論という分野があります。市場経済が健全に発展するために、国家(政府)は企業や業界同士をどんどん競争させたり、その反対に規制を設けて産業間の摩擦を避けたり、あるいは規制を緩和して市場の拡大を促したりと、状況に応じてさまざまな経済政策を講じています。「独占禁止法」も、企業同士の公正で自由な競争を妨げる行為を規制するための、重要な経済政策のひとつです。

書籍の値段は同じで、電気製品の値段が違う理由

 しかし、企業同士の自由競争はよいことばかりなのでしょうか?
 独占禁止法は、メーカーが商品の価格を卸売業者や小売店に指示して守らせる「再販売価格維持制度(再販制度)」を、自由な競争を妨げるとして禁止してきました。現在、書籍や新聞、雑誌、音楽CDなど一部の商品を除き、メーカー側は卸売業者や小売店での販売価格を拘束してはならないということになっています。例えば新品の雑誌はどこの本屋でもコンビニでも同じ価格で売られていますが、電気製品には定価がなく、よそのお店より安い値段をつけて消費者に価格をアピールできるのはこの制度があるからです。

再販制度によって守られる産業もある

 法的な考え方では、「流通業者が商売にとって最も重要な価格を自分で決められないのはおかしい」「消費者も自由に安い価格で買えたほうがいいから再販制度は制限されるべきだ」と考えます。しかし経済学の視点からは、「それでは、商品によっては、小売店が購入前にコストをかけて情報提供や試用サービスをする必要があっても、消費者がそうしたサービスを利用した後、コストをかけず安価に販売するお店で購入する行動をとると、サービスを提供するお店がなくなってしまい、商品が売れなくなる。例えば、新しい電気製品も再販が必要かもしれない。」と考えます。経済と法、両方の視点で見て初めて、実践的な解決策を生み出すことができるのです。

参考資料
1:エコノリーガル・スタディーズ
この学問が向いているかも 経済学、法学


経済学部  教授
柳川 隆 先生

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メッセージ

 神戸大学経済学部では、法学部とともに「法経連携専門教育プログラム(エコノリーガル・スタディーズ)」に取り組んでいます。経済学部と法学部の学生に少人数制で双方の学問を学んでもらい、複雑な社会問題を法学および経済学の考え方や分析方法で複眼的・総合的に解決できる能力の育成をめざしています。経済学と法学は異なる思考法を有しており、両方の視点で問題解決できるエキスパートは多くありません。この画期的な教育体制を大いに活用し、多面的な視野を広げ、未来に役立つ人材となってくれることを期待しています。

※夢ナビ講義はそれぞれの先生の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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