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講義No.06198

過去の常識は未来の非常識!? マクロ経済学の魅力とは

個々と全体のバランスを解き明かすマクロ経済学

 マクロ経済学では、国家や国民、市場というようなレベルの、非常に大きな視点から経済のメカニズムを分析・研究します。ですから私たちが日常で感じる経済感覚とは異なる考え方をすることが多いのです。例えばお店やメーカーが安売り合戦をして物価が下がれば消費者にとってうれしいことですが、安売りが激しくなるほど企業の利益が減って働く人の賃金が下がり、結局は国全体の経済停滞を招くことになります。個々と経済全体で異なる便益のバランスをどうとるか、どんな経済政策をとればうまくいくのか、を考えるためにはマクロ経済学が必要不可欠なのです。

新しい「質」の誕生で経済の常識は劇的に変わる

 マクロ経済学の視点で世の中をみていると、一見何の関係もない世の中の出来事同士が実は経済的につながっていたり、ふとしたきっかけである市場が爆発的に拡大したり、縮小したりすることに気づきます。
 昔、アナログ時計全盛の時代には、優れた製造技術を持つスイスの高級時計が世界的に圧倒的なシェアを誇っていました。やがてクオーツ時計の開発で腕時計の価格が下がり市場全体が急拡大する中で、新技術に長けた日本のメーカーが台頭し、劇的に世界のシェアが変化しました。まったく新しい質のものが生まれることで、それまで常識と思われていた経済構造がひっくり返るのがマクロ経済の面白さです。

グローバル化が生む巨額の報酬

 また、市場の国際化は世界規模の経済効果を生みます。プロスポーツの分野でも、1990年代には不況産業だったアメリカ大リーグに95年日本から野茂英雄投手がメジャー入りして観客動員数が増え、登板試合の放映権料などでグローバルな収益が上がり、アジアから選手を雇うと市場が膨らむ構造になりました。ゴルフでも97年にアフリカ系アメリカ人のタイガーウッズが史上最年少でマスターズに初優勝し、人種を超えてゴルフ市場が拡大し賞金も高騰しました。このように各分野でのグローバルな出来事が、巨額の報酬を生む時代になったのです。

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この学問が向いているかも 経済学、マクロ経済学、公共経済学

神戸大学
経済学部  教授
中村 保 先生

メッセージ

 マクロ経済学とは、たくさんの人々や企業からなる経済社会をひとつのものとして分析する学問です。なぜマクロ経済学が必要かというと、個々の人々や企業にとって良いことが、マクロ経済的にみれば良くないことがあるため、大局的な分析が必要だからです。マクロ経済学は、個々のニーズと全体の経済がどう関連するのか、全体をうまくコントロールすることによって個々の人にどんな便益がもたらされるかを研究する学問です。世の中で起こる事象の関連性に興味がある人は、マクロ経済学の学びに向いていると思います。

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