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講義No.06196

経済のチカラで環境を守る「環境経済学」

環境問題は理系だけの分野ではない

 環境問題の研究は理系の分野というイメージがあります。もちろん、地球温暖化による気温の上昇を調べたり、希少な野生生物の生態を調査したりするのは、理系学部に所属する研究者の仕事です。しかし環境問題のそもそもの原因は、人間が暮らすために使うエネルギーや、人々の消費活動、企業の生産活動から出てくる廃棄物などです。人々がどんな経済原理に基づいて行動しているのか、企業がどういう基準で活動の意思決定をしているのかを踏まえて、環境問題の原因を探り、解決策を見出していこうというのが「環境経済学」という学問です。

ごみ袋の値段が上がればごみが減る!

 神戸市指定のごみ袋は10枚100円ぐらいで売られていますが、福岡市指定のごみ袋はなんと10枚450円もします。なぜこのような違いがあるかというと、福岡市ではごみ収集の有料化が実施されていて、それを袋の価格に反映しているからです。こうした仕組みを導入することで、少しでもごみを減らそうとする心理が働き、結果的に環境を守る行動につながります。つまり、ごみを減らすための経済的なインセンティブ(動機付け)が生まれるのです。いろいろな自治体のデータを集めて分析すれば、ごみ袋の価格を1円上げたときにとどれだけごみを減らせるかを算出できます。

経済的な動機付けが環境を守る行動を促す

 環境経済学では、環境問題を解決するにあたって、経済的な動機付けがとても重要だと考えます。環境問題に関しては「ごみを減らしましょう」「節電にご協力ください」などと人々の良心に訴えかける方法がよくとられますが、メッセージになかなか気づかれなかったり、行動してもらえなかったりします。しかし、有料ごみ袋のような経済的手段を取り入れると、たとえ意識が変わらなかったとしても、行動に変化をもたらしやすいのです。環境問題と経済は、密接に関わっています。環境問題へのひとつの解決策として、経済的インセンティブの有効活用が期待されているのです。


この学問が向いているかも 経済学、環境経済学

神戸大学
経済学部  教授
竹内 憲司 先生

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メッセージ

 経済学は「お金もうけの学問」と思われがちですが、実は違います。お金という存在を通じて、人々や企業、政府といった社会を構成する要素がどう結びついているのか、社会全体が豊かになるためにはどうしたらいいのかを考える学問です。環境問題を解決しながら経済が発展していくためにはどんな方法が効果的なのか。貧困で苦しむ人々を助けるにはどんな仕組みが望ましいのか。人類にとって本当に大切な、こうした課題に取り組むのが環境経済学の使命です。世界で起きていることに強い関心を持つ、情熱あふれるあなたの入学を待っています。

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